八島グループ副社長の八島要は、音信不通だったカメラマンの弟・清司を2年ぶりに訪ねた。迷惑顔の清司に、社内の派閥争いを鎮めるため持ち株の譲渡を求めた要は、ヌードを撮らせろと要求される。不遜な態度を見せつつも、追い詰められた自分をぶっきらぼうに慰める弟の真意もわからぬまま、要求を呑んだ要。清司の強い視線に晒されるたび、なぜか胸が奇妙にざわめいて……。
30代働き盛りでバツイチの涼太は、仕事と家事の両立――とりわけ愛娘・美空の日々の食事に悩んでいた。そんなとき、会社近くの小料理屋で働く学生時代の後輩・穂積と再会する。穂積の作る総菜はどれも極上の味で、涼太はすっかり店の常連に。さらに試作と称して渡されるおかずに、娘ともども胃袋をつかまれてしまう。だが実は涼太には穂積を手ひどく振った過去があって……? 「カップ一杯の愛で」スピンオフ。
腕はいいのに口が悪く、度々客を怒らせてしまう美容師の夏生。その日も失敗し、知らずに入ったゲイバーでヤケ酒を飲んでいたところ薬を盛られてしまう。犯人は蹴り倒したものの気を失った夏生は、翻訳家の山沖に助けられる。山沖もゲイだと知り警戒する夏生に対し、山沖はあくまで穏やかで紳士的だった。だが薬のせいで自由の利かない体の熱を、山沖に鎮めてもらうことになり…? 年の差スイート・ロマンス。
彼を見た瞬間、胸の奥がきゅっと熱くなった…。由緒ある男子校・鷹ノ峰学園に入学した彼方は、桜の下で恋に落ちた。相手は、黒い噂の絶えないクールで毒舌な生徒会副会長・寒河江。少しでも彼に近づきたくて、彼方は生徒会の雑用係になる。けれど寒河江は彼方の存在を無視し、向けられる言葉は叱責ばかり……。叶わない恋とわかってる。でも、好きでいていいですか――。不器用で一途な学園ラブ。
他人を避け孤独に生きてきた有也と、生徒会役員で人望の厚い颯はクラスメイトで寮のルームメイト。正反対の二人の秘密―― 外では他人のフリ、部屋では恋人の関係だということ。颯が有也に触れる指先は甘く、有也にとって生まれてはじめての恋だった。しかし、ある夏の日、颯が事故に巻き込まれたことにより二人の関係は突然終わった。――彼はもう自分を覚えていない。それから数年後、颯のことを忘れられずにいた有也の前に再び颯が現れ――。
高校男子寮以来の腐れ縁で…… 別れたハズの男が、突然ウチにやってきた。たまたま会社の仲間との家呑みで、パティシエとしての腕が役には立ったんだが…… そのままフランスの修行帰りの奴がウチに居ついてしまった!? 泊まるところがないからって… おい、別れたハズなのに、彼氏ヅラするな!平凡リーマンは、美形パティシエに翻弄される? ―――再会ラブロマンス。
北上祥平と瀬川匡は幼馴染みで恋人同士。祥平は地元でも有名な美形三兄弟の次男で、可憐でたおやかな容姿だが、気が強く手も早い。一方、匡は顔も頭も人柄もよく人望がある。近頃、匡が祥平によく似た従兄弟・真生をやたらと可愛がっていて、祥平は面白くない。しかし三年前、匡と仲違いした出来事が祥平のトラウマになっていて強くも言えず……!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
大学生の前田高宏は、マンションの隣に住む同じ大学生でモデルの篠宮斎を介抱したことから、食事の世話をするようになった。男女問わず恋愛関係の噂がたえない斎に高宏は、友人から気を付けろと忠告をされる。まさか地味で野暮ったい自分に、斎は興味をもたないと思っていた。だが、斎から「俺としてみない?」と突然告げられる。男相手は考えられない高宏は、斎にきっぱりと断るが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
寝ている最中に従兄弟の恭介にキスをされ、告白された高校生の怜一は、平凡な自分を好きだという恭介に関心をもつようになる。男らしく整った容貌で、優しく甘やかしてくれる恭介の傍らで過ごすうちに、次第に彼に愛しさを募らせていった。しかし、恭介が自分の弟と抱き合っているところを見てしまい、ひどくショックを受けてしまう。つまらない自分に恭介は同情しただけだと感じた怜一は、自信のなさから彼を遠ざけようとして…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
小島柚木には天敵がいる。子どもの頃、自分を苛めた高宮一成だ。最悪にも高校で同じクラスになった一成は、冷たくあしらう柚木に何かと構ってくる。さらに水泳の授業を目前にして、カナヅチの柚木は、有望な水泳選手である一成から泳ぎの特訓を受ける羽目に。無神経でお調子者だと思っていた一成の誠実さに触れ、特訓も楽しくなってくるが、一成にはどうしてもそっけない態度をとってしまう。自己嫌悪に陥る柚木だったが、突然一成に「好きだ」と告白され――!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
弟のように可愛がっていた年下の幼なじみ・神嶋洋に告白された大学生の高沢千実。一途な恋情を向けられ、千実は自分も同じ気持ちだったことに気づく。だが、洋には決して知られたくない秘密を抱える千実は、彼を手酷く拒絶することしかできなかった。二年後、気まずい関係を修復できずにいた千実は、偶然、洋に恋人がいることを知る。傷つく千実は、叶うことのない恋に終止符を打つため、洋とある約束を交わし、関係をもつが――!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
綺麗な容姿と人を寄せつけない雰囲気をもつ高校生の中神琳は、家庭教師の真島弘幸に密かに恋心を抱いている。だが真島の想い人は、優しい性格で誰からも好かれる兄の亨。想いを悟られぬよう、真島と必要以上に親しくなるのを避けていた琳だったが、ある夜、泥酔した真島に抱かれてしまう。翌朝、うろたえる真島に兄が好きなら、これからも自分を代わりに抱けばいいと持ちかける。身代わりでも構わない――それなのにともに過ごすほど、苦しさは増し…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
両親を亡くし、父の友人だった安井の家にひきとられた広海。ともに暮らすうち、ぶっきらぼうだが優しい長男の良平に惹かれ告白するが、ふられてしまう。二年後、報われぬ恋心を抱えたまま、広海は一人暮らしをしている良平のもとを訪れ、三日間だけという約束で、泊めてもらうことになる。見返りが欲しくて、恋をしたわけじゃないけれど、良平に冷たい態度を取られるたび、胸は痛んで――。安井家の次男・康平の恋を描いたリンク作『遠い花火』も収録。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
大学三年生の有村瞭司は、レポート提出に訪れた研究室で驚きの光景を目にする。消極的で地味な同学年の堀井譲が、眠る教授の手に愛しげに頬を寄せていたのだ。教授への想いを知られ萎縮する譲は、なんでもするから黙っていてほしいと懇願する。以来、譲は有村の「奴隷」となるが、いつしか二人は身体の関係を持つようになり…。ピュアでみだらなスローモーション・ラブ。【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
高校生の高見征一郎は、小説家である久島聖のもとで一年前から居候の身。両親を事故で亡くし、行くあてもなく途方にくれていたところを聖に拾われたのだ。だが、綺麗な容姿に反し口が悪い聖は、傍若無人ながらも征一郎に対してどこか距離をおいている感がある。実は疎まれているのではないかと、征一郎は不安に思い始めていた。けれど征一郎の聖を慕う想いは、いつしか恋心に変わり――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
「アンタ俺と契約しないか?」月夜の晩、桜が咲き誇る庭で、沢渡遙は端整な顔立ちの少年・牙威と出会う。わずかな時間の中で遙を気に入ったと言う牙威は、謎の言葉と甘美なキスを残して姿を消した。それから数日後、バイト先で起こった怪事件に巻き込まれ危機に陥った遙は牙威に救われる。彼は神の力を持つ「龍神」だった。だが力を使うには、力の源を与える者と契約を交わす必要があるという。牙威に命を救われた遙は、牙威と契約を交わすことを決めるが……。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
仕事で大学病院を訪れた上原尚哉は、高校時代の同級生で外科医になっていた久住廉との再会に狼狽する。なぜなら、かつて心を通わせながらも、ある事情で尚哉が裏切り、別れた相手だったからだ。久住は屈託なく接してきたが、二人きりになると態度を豹変させ、脅すように「償い」を求める。身体を差し出せ、と――。別れてからも久住を想い続けていた尚哉は、心を痛ませながら応じるが…。甘苦しいセクシャルラブ、全編書き下ろしで登場! 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
親の愛情を知らず、高校で孤立している勝気な美貌の芳川郁は、望みの叶わない人生を「仕方がない」と諦めて生きている。そんな郁のささやかな願いは、成り行きで身体を重ねるようになった同級生・増井千里との関係が少しでも長く続くこと。同情でかまわない、彼の傍にいたい――。千里への恋心を秘めたまま、彼の長く器用な指先が紡ぐ優しさに郁は想いを募らせる…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
夏休みに帰省した江沢(えざわ)を出迎えたのは、五年前にケンカ別れした親友だった。高校時代、振り返るとそこにいて優しく笑っていた生方(うぶかた)。誰に告白されても「ごめんね」と困ったように微笑んで、最後は必ず江沢の左隣に戻ってくる――そんな関係に戻れるかと思ったのに、昔のままの笑顔で「あの頃も今も江沢が好きだよ」と告白されて!?左隣の特等席は永遠に君のもの――友情が恋へ育つ軌跡♪※本文にイラストは含まれておりません。