日下 あき(くさか あき)は、日本の漫画家。
「ほっぺ! ほっぺにチュッってするだけだから!!」「性的な接触は葛城家のしきたり交際編第7条第3項に違反する我慢しろ」 主人公・ユーリが付き合うことになったのは、祖父・父ともに元内閣総理大臣という超絶エリート家系の男子・葛城慶一郎。しかも、葛城家には、男子は18歳になるまで女子と一切の性的接触をしてはならぬ「しきたり」があって!?
ふたりしかいないんだからいっぱい泣けば 高校の入学式の朝。穂高は、マンションの隣の部屋から出てきた同じ高校に通うであろう男子と運命的な…いや、絶望的に最悪な出会いをして!? 小さな密室から始まる大恋愛スタート!
「将来は画家になりたい」「ギャップうああああ」――。学校にはたまにしか来ない不良・鮫島くんに一目ぼれしてしまった主人公・猪狩。友達が止めるのも聞かず、美術の授業でデッサンモデルを買って出たら、鮫島くんの知られざるギャップにさらに恋の暴走が加速!? 夢追う不器用男子を振り向かせたい! 一途すぎるラブコメディ!
『はじめての鮫島くん』、『はやくしたいふたり』の日下あきさん最新作です。 本作は、表紙に描かれている黒髪ロングのヒロイン・穂高と、黒髪イケメン・湊のふたりを中心とする青春ラブストーリー。 穂高は母親を亡くしており、少し悲しい過去を背負ってはいるものの前作・前々作と比べるとキャラクター造形や設定はかなりオーソドックスで王道に寄っています。ありふれた素材を美味しく料理する方が難しいのですが、本作はしっかり面白く日下あきさんの地力の高さを感じずにはいられません。 絵が綺麗でネームも読み易いのは明確な美点ですが、何よりも表情の描き分けによる感情表現が素晴らしいです。表情豊かな穂高はもちろんなのですが、クールでツンツンしている湊の無表情の中での絶妙な表情の描き分けが秀逸です。特に、3話最後のふたつの見開きでのお互いの表情は最高。こんなものを見せられてキュンキュンしないやつはいねえ! と心の中の恋愛マンガ好きの承太郎が7ページ連続ラッシュする勢いです。 そして、そんな巧さによって演出される繊細な感情が煌めいています。1話から描かれる穂高の切なる想い。傷ついた経験から怯えを抱きながらも、前に進もうという意志の美しさ。外見のかわいさだけでなく、内面の良さもあいまって応援したくなる主人公です。 なお、本筋は非常に美しいお話でありながら、幕間での兄の紹介文「熟女好きはアイデンティティであり高尚な趣味」という部分には無意識の内に敬礼のポーズを取っていました。「I am big Brother」のエプロンなども好きです。 良い少女マンガは脇役が良い法則がありますが、本作では兄のみならず穂高の友人たちもまたとても魅力的です。他にもこれから活躍しそうなキャラも散りばめられ、今後どういった関係性で展開していくのか楽しみです。 『このマンガがすごい!』などのアワードだと、男性選者も多い関係でこうしたマーガレット系の超王道恋愛少女マンガは上位にランクインしにくいこともあり、まだ少女マンガ好き以外には広く知られていないかと思いますが、もっともっと評価されて良い方です。いずれ映像化などされて更に人気がブレイクしていくことでしょう。
高校2年のJK・長谷川結理は、近くの男子校に通う同学年の男子・葛城慶一郎に告白し、付き合うことになる。その告白の流れで慶一郎にキスをしようとする結理だったが、なぜか慶一郎から拒絶されてしまう。「完全にキスの流れだったじゃん」という結理に対して慶一郎は、告白にOKはしたが「性的な接触については同意していない」という謎の回答をする。 実は慶一郎は祖父・父ともに元内閣総理大臣と言うエリートで、さらに"葛城家のしきたり"として「十八歳まで異性との性的接触を禁止されている」という厳格な家庭に育った人間だった。結理と同い年である慶一郎が18歳になるまではあと1年半。つまりそれまでの間、結理が慶一郎に気安く触れることは許されないらしい。 それからというもの、結理が不意打ちで彼に触れようとしたらまるで痴漢を撃退するかのごとく関節を決められたり、2人でいるときも実は葛城家のSPに監視されているということが判明したりと、なかなか恋人として(物理的に) 距離を近づけることができない。 そんな、恋人同士のイチャイチャに夢を持っていた結理と、何よりも自身の家柄としきたりを重んじる慶一郎との交際を描いた作品。 あらすじを見ると、アプローチを仕掛けて行く結理に対して慶一郎があしらっていくという形のラブコメのように見えるのだが、実際にはそれだけではない作品。というのも、導入部分からは読み取れないのが、読み進めていくと結理が慶一郎のことを好きな以上に慶一郎が結理のことを大好きで、彼自身も結理に近づきたい、触れたいという感情を我慢しながら彼女に接しているということが分かってくる。 そんな彼が、基本的には葛城家のしきたりを第一に行動し結理との距離を保とうとするが、ある時には正攻法で、ある時にはしきたりの隙を突いて結理の期待に応えようとしてくれる、そのギャップが可愛らしい。 ただ、そんな慶一郎の行動が若干的外れだったり、そもそも結理の期待しているようなイチャイチャとはかけ離れていたりして、なかなか結理自身が満足する交際はできない、その様子もラブコメとして楽しい作品。 1巻まで読了
『はじめての鮫島くん』、『はやくしたいふたり』の日下あきさん最新作です。 本作は、表紙に描かれている黒髪ロングのヒロイン・穂高と、黒髪イケメン・湊のふたりを中心とする青春ラブストーリー。 穂高は母親を亡くしており、少し悲しい過去を背負ってはいるものの前作・前々作と比べるとキャラクター造形や設定はかなりオーソドックスで王道に寄っています。ありふれた素材を美味しく料理する方が難しいのですが、本作はしっかり面白く日下あきさんの地力の高さを感じずにはいられません。 絵が綺麗でネームも読み易いのは明確な美点ですが、何よりも表情の描き分けによる感情表現が素晴らしいです。表情豊かな穂高はもちろんなのですが、クールでツンツンしている湊の無表情の中での絶妙な表情の描き分けが秀逸です。特に、3話最後のふたつの見開きでのお互いの表情は最高。こんなものを見せられてキュンキュンしないやつはいねえ! と心の中の恋愛マンガ好きの承太郎が7ページ連続ラッシュする勢いです。 そして、そんな巧さによって演出される繊細な感情が煌めいています。1話から描かれる穂高の切なる想い。傷ついた経験から怯えを抱きながらも、前に進もうという意志の美しさ。外見のかわいさだけでなく、内面の良さもあいまって応援したくなる主人公です。 なお、本筋は非常に美しいお話でありながら、幕間での兄の紹介文「熟女好きはアイデンティティであり高尚な趣味」という部分には無意識の内に敬礼のポーズを取っていました。「I am big Brother」のエプロンなども好きです。 良い少女マンガは脇役が良い法則がありますが、本作では兄のみならず穂高の友人たちもまたとても魅力的です。他にもこれから活躍しそうなキャラも散りばめられ、今後どういった関係性で展開していくのか楽しみです。 『このマンガがすごい!』などのアワードだと、男性選者も多い関係でこうしたマーガレット系の超王道恋愛少女マンガは上位にランクインしにくいこともあり、まだ少女マンガ好き以外には広く知られていないかと思いますが、もっともっと評価されて良い方です。いずれ映像化などされて更に人気がブレイクしていくことでしょう。