異世界美少女受肉おじさんと

30代前半はおじさんか否か

異世界美少女受肉おじさんと 津留崎優 池澤真
ゆゆゆ
ゆゆゆ

「異世界おじさん」がアニメ化し、おもしろい!と話題になっていたとき、これのことかなと勘違いして読んだのが、本作。 たしかにおもしろいなーと読み進め、「異世界」と「おじさん」しか合ってないと知るのは、しばらく先のこと。 こちらは「異世界美少女受肉おじさん(ファンタジー びしょうじょ じゅにく おじさん)」。 略して「ファ美肉おじさん」。 出てくるおじさん二人はおじさんといえども、30代前半なので、そこまでおじさんじゃないと思うんだけど、若者から見たらおじさんですかね。 さて、おじさんの橘くんが、金髪美少女へファ美肉します。 橘は冴えない平凡と見せかけた、コミュニケーションおばけです。 さらに、親友のもう一人のおじさん(神宮寺)も一緒に、女神様へ異世界へ連れてこられます。 橘の武器として連れてこられたんだそうです。 神宮寺は男の見た目そのまま、受肉していません。素でイケメンメガネです。うらやましい。 金髪美少女になったほうのおじさん・橘は、ファ美肉ボディに問題があります。 中身はおじさんだけど、愛と美の女神様のパワーとパッシブスキルで、ひと目見た者は心を奪われ、争いが起きるほどの美少女になってしまったのです! 中身がおっさんだと知っている神宮寺ですら、魅了されるレベル。 これが本作の展開をややこしく、面倒くさくします。 橘はたぶん、そういう子と旅をしたかったのであって、自分がなりたかったわけではないのでは、と思うのですが、なってしまったからには仕方ありません。 もとに戻るため、女神に言われるまま、二人は魔王を倒す旅に出るのです。 興味を引かれる展開はこのあとも続いてとてもおもしろいです。 橘は中身おっさんだけどかわいくて大人気、神宮寺のかっこよさと不器用さもよいです。 勘違い始まりとはいえ、読んでみて良かったなあと思う漫画です。

SA07

人はなぜ絵を描くのか #1巻応援

SA07 津留崎優
ANAGUMA
ANAGUMA

それは絵上手くなってちやほやされて承認欲求を満たしたいから!!!(ドン!!!) 本書1巻の帯には堂々たるフォントで核心を突く答えが刻まれておりました。わかるみんなそうだよな。 身近に絵を描く人間が多い環境で育った人なら1巻を読むだけでも「あっ、あぁ〜〜〜〜!!」というシーンが無限に続くこと請負い!共感と羞恥と熱量がすごい勢いで押し寄せてくるぞ! キャラもみんなすげ〜〜〜〜「っぽい」んですよ…。 アニメーター志望のガチムチ伊藤くん、抜群にうまいけど人付き合いが苦手な宮田くん、すべてを兼ね備えた美少女絵描きカガリさん、絵よりも設定考えたりが得意なグラサンの田町くん…。居ますこういう濃いひとたちがリアルにも割と(※個人の環境です)。 ラブコメ的にも矢印の方向がしっちゃかめっちゃかになっているのが読んでて笑えます。現実だったら笑えないかもしれない(怖い)。 漫画家マンガや画家マンガ、アニメーターマンガに美大マンガ…世の中さまざまな「お絵描きマンガ」があるわけですが、ある意味本作ほど「絵を描く人間」の本質(生態?)を捉えた作品もないような気がします。 人間としての絵描きの姿が『SA07』にはまさに息づいていますよ!