山田朝顔は興雲大学医学部法医学教室助教授にして、警察からの嘱託で司法解剖を行う監察医を兼務している。刑事をしている父・万平からの連絡が入り、朝顔は河原で上がった溺死体を司法解剖する。その結果、遺体の胃の中から15mmくらいの小さな発泡ウレタンが見つかった。自殺、他殺、事故……さまざまな可能性があるなか、外傷はなく着衣の乱れもないことから、警察は遺体を自殺とみなす。しかし朝顔は、被害者の胃のなかから見つかった発砲ウレタンと、遺体にすがりついた男の態度を不審に思う。誰もが迎える死の瞬間(とき)。その最期のメッセージに込められた真実とは?遺体と向き合う壮絶な現場で奮闘する一人の女性監察医が今、花開く――!!