水族館の館長の孫と、アイドルの夢を失った女子が、水族館の危機に立ち向かう物語。困難を乗り越えようとする二人の強い連帯の予感が、1巻からひしひしと感じられる。 諦められた古い水族館だが、そこに思い入れのある若者達の復活への夢は途絶えない。そこに失意の中、参加する元アイドル。厳しい現実の中、前を向こうと足掻く物語は苦いけれど、基本明るい彼ら、その先への期待感は強い。 辛い現実を癒すのは、水族館の生き物達と、精霊による幻視。夢の光景は美しく、こんな不思議が本当に起こりそうな沖縄に、非現実的な夢を見てしまう。 2021年にオリジナルアニメが放送された本作。コミカライズ担当の桜木蓮先生は現在『アネモネは熱を帯びる』を連載中。 『アネモネ〜』で感じていたのは、曲線の描線が美しいという事。そしてそれは本コミカライズにて驚く程、高い効果を発揮していると感じる。女性の髪、滑らかな肌表現はもとより、水族館の魚やペンギン、水流や水泡の表現、そしてそれらが組み合わさった幻視の美しい事といったら……。 アニメに関して当初、界隈で発生していた懸念は放送後聞かれなくなった。女性の連帯を描く作品として、今後も期待したい。 (ちなみに私はアニメ未視聴です)
ポジティブ思考のキャラというと、調子の良い陽キャを連想するが、この作品のポジティブ主人公は人と距離を置く、珍しいタイプ。明るいのではなくて、悪い思考を追い払おうと自らを律する様な。 そんな主人公は希望していなかった進学先で、一人の病弱な同級生と出会う。 主人公の受験失敗の原因だった彼女。しかし酷く弱い彼女を保健室に連れて行き、世話を焼きながら主人公は思う。 「この人を嫌いたくない」 病弱だが無邪気な彼女は愛らしい。彼女の望む様に学校生活を送らせてやりたいと頑張る主人公は、一巻通じて大きく印象が変わって行く。最初から良い奴とは思ったけれど、こんなに良い奴だったんだ……。 「嫌いたくない」から「好きになりたい」へ、そして……1巻で既に色々な物を共有した二人は、感情も共有する時が来るのか。ハグも良いけど、目を見て話せる様になるといいね!
水族館の館長の孫と、アイドルの夢を失った女子が、水族館の危機に立ち向かう物語。困難を乗り越えようとする二人の強い連帯の予感が、1巻からひしひしと感じられる。 諦められた古い水族館だが、そこに思い入れのある若者達の復活への夢は途絶えない。そこに失意の中、参加する元アイドル。厳しい現実の中、前を向こうと足掻く物語は苦いけれど、基本明るい彼ら、その先への期待感は強い。 辛い現実を癒すのは、水族館の生き物達と、精霊による幻視。夢の光景は美しく、こんな不思議が本当に起こりそうな沖縄に、非現実的な夢を見てしまう。 2021年にオリジナルアニメが放送された本作。コミカライズ担当の桜木蓮先生は現在『アネモネは熱を帯びる』を連載中。 『アネモネ〜』で感じていたのは、曲線の描線が美しいという事。そしてそれは本コミカライズにて驚く程、高い効果を発揮していると感じる。女性の髪、滑らかな肌表現はもとより、水族館の魚やペンギン、水流や水泡の表現、そしてそれらが組み合わさった幻視の美しい事といったら……。 アニメに関して当初、界隈で発生していた懸念は放送後聞かれなくなった。女性の連帯を描く作品として、今後も期待したい。 (ちなみに私はアニメ未視聴です)