ハーシェル家の三男・ノアの想い人はアリシアという女性。 彼女は外出が許されないほどに生まれつき心臓が悪く、そして **ノアの実の姉**でもある女性でした。 そんなノアにずっと片想いをしていた、隣の家に住む幼なじみのレイチェル。 しかし彼女はノアを想い続ける中で、彼のその”秘密の恋心”に気づいてしまいます。 そんな中で持ち上がった、レイチェルの縁談。 さらに、結婚後の引っ越し先の町にアリシアも療養のために移るという話まで聞こえてきました。 このままでは望まぬ結婚を捺せられてしまうと思ったレイチェルは、 アリシアと離れ離れになってしまうことを恐れたノアにある提案をします。 それが**”偽装結婚”**。 自身の思いを隠した上でノアに偽装結婚を提案したレイチェル、 レイチェルと結婚することで結果的にアリシアのそばにいられるため 罪悪感を抱えながらも偽装結婚を受け入れるノア、 そして心臓の病のために残された時間の少ないアリシア。 そんな3人の間で愛情や友情、そしてすれ違いが絡み合う複雑で切ない関係を描いてゆく作品です。 1巻まで読了
上流階級層に紛れて密かに生きている「吸血鬼」の一族。彼らは永遠の命を持っていますが、人間に正体を知られないため、純粋に生き血を得るため、また吸血鬼の社会で権威を示すため、1人の吸血鬼に対して1人の人間を"餌"として飼い、生活の保証を与える対価としてその血を啜るという関係を持っていました。 主人公は吸血鬼の月子とその"餌"として月子に飼われることとなった花絵。花絵は天涯孤独の身であるために"餌"となったわけだが、実は野心的な性格があってこの状況を利用しようと虎視眈々と伺っている節があります。一方の月子は以前の"餌"であったフミという女性が3年前に亡くなり、花絵に冷たく当たっているのもどうやらその影響がありそうな様子。 吸血鬼と人間、永遠を生きる月子とやがて寿命を迎える花絵。この2人が様々な意味で不均衡なパートナーとなったことでお互いに心を通わせ合っていくという物語です。 そしてこの物語は実はこれだけではありません。月子と花絵以外に、かつては名門だったが現在は厳しい家計の家庭に生まれた櫻子とその餌の桐夫、親が威厳に厳しい家庭に生まれた永一郎とその餌の少年・瞬という2組のパートナーが描かれます。 つまり、同じテーマを換骨奪胎しながら、女性×女性、女性×男性、男性×男性という3通りの組み合わせが描かれており、それを全て1冊で堪能できる作品なのです。表紙を見ると百合マンガっぽく見えるのですが、BL好きにも、もちろんストレートな男女の関係の物語が好きな方にも薦められる裾野の広い作品です。 また、この3組の物語は実は繋がっており、それぞれの物語を駆け抜けた後、最後に月子と花絵の物語に戻ってきて結末を迎えます。3組6人の人生を描きながらたどり着く結末は切なさもありつつも希望に満ちていて、強く心に残るものとなっています。 調べてみると作者の吉田了さんは別名義でBL作品を1作出されていてこの名義では初の単行本の様子。また、コミックジンガイという見るからにニッチなテーマを扱ってそうなレーベルで連載されていた作品ということもあり、私も表紙買いするまで全く知らなかった作品なのですが、このマンガ家さんのことは今後絶対追っていこうと思える、魅力のたくさん詰まった作品です。 全1巻読了
ハーシェル家の三男・ノアの想い人はアリシアという女性。 彼女は外出が許されないほどに生まれつき心臓が悪く、そして **ノアの実の姉**でもある女性でした。 そんなノアにずっと片想いをしていた、隣の家に住む幼なじみのレイチェル。 しかし彼女はノアを想い続ける中で、彼のその”秘密の恋心”に気づいてしまいます。 そんな中で持ち上がった、レイチェルの縁談。 さらに、結婚後の引っ越し先の町にアリシアも療養のために移るという話まで聞こえてきました。 このままでは望まぬ結婚を捺せられてしまうと思ったレイチェルは、 アリシアと離れ離れになってしまうことを恐れたノアにある提案をします。 それが**”偽装結婚”**。 自身の思いを隠した上でノアに偽装結婚を提案したレイチェル、 レイチェルと結婚することで結果的にアリシアのそばにいられるため 罪悪感を抱えながらも偽装結婚を受け入れるノア、 そして心臓の病のために残された時間の少ないアリシア。 そんな3人の間で愛情や友情、そしてすれ違いが絡み合う複雑で切ない関係を描いてゆく作品です。 1巻まで読了