※ネタバレを含むクチコミです。
「サトラレ」って似たようなタイトルの作品があったな〜と思って読んでましたが、これスピンオフに近い作品だったのですね。私はサトラレは読んでなかったのですが、とても面白かったです。 まず、主人公のサトラレ千景ちゃんは天才だけど、多くの人には心を閉ざしていて心の中で不安であったり悪意のある罵詈雑言を日常的に周りに発信しています。 でも何か憎めないというか、思考にシンパシーを感じました。ちょっと面倒な子だけどたまに友達を心から心配する気持ちが漏れ出たときなど、かわいいところがあります。 また、サトラレを全面サポートする同世代の子たちは公務員という設定で、子供と大人の間の何とも言えない10代後半の気持ちや考え方がとてもリアルです。 新たな仲間や、思いもよらない敵対者が出てきて、千景はさらに心を振り回され始めるのですが、それが全部周りに伝わっている設定、それを優しくケアする未成年公務員たち、斬新な設定と笑いうまく取り入れた素晴らしい作品だと思いました。
中学のころから喘息持ちで学校も休みがちだったタケと、昔から彼の世話をよくしていた幼馴染の梅子。その2人がおんなじ人を好きになってしまった、という少し変則的な三角関係の物語。 あらすじからも分かる通り、片方が男の子どうしという三角関係。でもこの作品は作品全体の視点が引き気味に設定されてて、恋愛模様も描きつつそれを高校生活の青春の1ページのようなタッチで描いている。なので3人以外の登場人物にもスポットが当たるし、1巻を通して読むとむしろ群像劇のような印象すら受ける。 ストレートな恋愛関係の中に同性間の恋愛を交えると、エンディングがどういう形であれその過程でどうしても同性間の恋愛を"歪なもの"として描きがちなんだけど、この作品は群像劇的な描き方も相まってその"歪さ"を全く感じさせない、とても爽やかな読後感を与える作品になっている。この爽やかな雰囲気を保ったまま、三角関係がどう展開していくのかが凄く楽しみ。 1巻まで読了。
※ネタバレを含むクチコミです。