「ひと夏の間、子供の世話をしてほしい」──その言葉とともに現れたブレイクは、ベラが代理母として産んだ赤ん坊の父親だ。出産後も赤ん坊から離れたくなかったが、ブレイクの妻と交わした約束のせいで、ベラは彼らの前を立ち去らねばならなかった。だが、2か月前にブレイクたちは離婚したと聞かされた。それなら、赤ん坊の世話を引き受けてもいいのではないだろうか? けれど、ブレイクが結婚しているときには抑えておけた恋心を、隠しとおせる自信はなくて…。
巨大企業のCEOセバスチャンの秘書ミッシーは、出張先のラスベガスに着くやいなや退職届提出。今日は30歳の誕生日。この4年、ボスに朝から晩までこき使われ、休日返上で働きづめだった。でもそれももう終わり。眼鏡を外し、三つ編みをほどき、セクシーなドレスを身につけたミッシーはカジノへ! するとそこへボスが現れた。瞳の奥に炎を揺らして。ミッシーは彼に賭けを挑む──あなたが勝てば仕事に戻る。でも私が勝ったら、憧れのあなたと一夜を過ごしたいと。
ウエディングドレスのデザイナーのノエルは、パーティーでこの国の王子であるクリスティアンと再会する。ノエルにとってはかけがえのない恋人だったが、理由もわからぬまま彼はノエルを捨てた。それでも、5年の時が流れた今も、彼はかわらずノエルを強く惹きつけてやまなかった。再会の夜、突然ノエルの家を訪れるクリスティアン。家のなかに入ろうとする彼を、思わず制止するノエル。決して知られてはならないの。家の中にいる彼と同じ金色に輝く瞳をした息子の存在を…。
5年もの片思いを実らせ、兄の同僚のニックを振り向かせたブルック。しかしめまいがするような幸せを噛みしめていたある日、ニックは突然別れを告げ、姿を消した。それからひと月が経ち、自身の体の変化に気づいたブルックは、幸せな報告を伝えるためニックを捜しにギリシアへ向かう。だが、久しぶりの再会に喜んだのはブルックだけだった。彼はシェルダーナ公国の王子で妻をめとらなければならないというのだ。身分違いと知り、妊娠を言い出せなくなったブルックは…。
シェルダーナの皇太子ガブリエルは結婚を間近に落ち着かない日々を過ごしていた。政略結婚の相手として申し分ないとはいえ、婚約相手のオリヴィアについて何も知らないからだ。一方、オリヴィアもまた不安にさいなまれていた。憧れだったプリンスの花嫁として、自分は本当にふさわしいのだろうか…と。結婚式を1か月後に控えた独立記念日のパーティーの最中、ガブリエルにとんでもない知らせがもたらされる。3年前に別れた恋人が、双子の姉妹を遺して亡くなったというのだが…!?
窮地に立たされたサヴァナは過去につらい別れをした初恋の相手トレントのもとへ助けを求め訪れた。ラスベガスでクラブ経営をする彼は相変わらずゴージャスで触れられただけで胸が熱くなる…。が、トレントに「僕を捨てて兄と結婚した君を助けろと?」と冷たくあしらわれてしまう。結婚に興味のない彼と決別したあと、妊娠に気づいた彼女はトレントの兄の思惑も知らずプロポーズに身を預けたのだ。亡き夫の会社を継いだあなたの子供を助けてと言えたらいいのに――。