もうかれこれ30年近く前、アマチュア時代から知っている漫画家で、少女漫画的なホラーが得意な人という印象でした。ところがこの作品はちょいとテイストが違っていて、ホラーというよりは奇妙な話。アーティストの大槻ケンヂの短編小説を原作にし、少女漫画ではまず見ない、怪しい方向にベクトルを向けています。なにせタイトルからして「くるぐる」使い、ですもんね…。これ即ち狂人のことです。くるぐるにされた特殊能力をもつ少女と、その少女を見世物にするくるぐる使いとの間に起こった悲劇を、老人が語るという構成。かたや人為的に精神を破壊され、かたや望んで人の道を外れた二人の末路は相当に哀れ。ですが、その二人が失くしたもの、失くしてはいなかったもの、そして失くして知ったものを本当に丹念に描いており、いい意味で先入観をひっくり返されました。アングラ仕立てにも関わらず感動的ですらあるので、心して読んでください。
もうかれこれ30年近く前、アマチュア時代から知っている漫画家で、少女漫画的なホラーが得意な人という印象でした。ところがこの作品はちょいとテイストが違っていて、ホラーというよりは奇妙な話。アーティストの大槻ケンヂの短編小説を原作にし、少女漫画ではまず見ない、怪しい方向にベクトルを向けています。なにせタイトルからして「くるぐる」使い、ですもんね…。これ即ち狂人のことです。くるぐるにされた特殊能力をもつ少女と、その少女を見世物にするくるぐる使いとの間に起こった悲劇を、老人が語るという構成。かたや人為的に精神を破壊され、かたや望んで人の道を外れた二人の末路は相当に哀れ。ですが、その二人が失くしたもの、失くしてはいなかったもの、そして失くして知ったものを本当に丹念に描いており、いい意味で先入観をひっくり返されました。アングラ仕立てにも関わらず感動的ですらあるので、心して読んでください。