ある日、阿見川政士(あみかわまさし)に脅迫状が届く。政士と息子の樹は「社長と秘書で、仲の良い親子」という体面を保ちながら、その裏で樹は父に虐げられて生きてきた。脅迫状の要求通りに金を渡しに出向いた樹は、栂恭介(とがきょうすけ)という男に酷い辱めを受けてしまう。 「お前の親父がそれだけ憎まれるような真似をしたってことだ」 恭介は、樹を汚すことで政士にダメージを与えようとしたのだ。何の効果もないと知らずに。樹は、理不尽な陵辱に堪えかねて、父と恭介の両方に復讐することを決意するが…。 危うい謀(はかりごと)の行く先は――!?
「お前には上下関係というものを教え込まねばならないらしい」 若い男の連続失踪という怪異な事件を追って、新米刑事の桜井は警視庁キャリア組の東條とコンビを組む。傲岸でサディスティックな東條に、桜井は逆らうことがまったく許されず、下僕のように捜査に付き従うだけだ。だが、勘の鋭い東條が事件の糸口を掴んだとき、桜井は若くて綺麗な男に拉致監禁されてしまった。 「アレは男の体液が大好きなんだ。被害者がどんな状況だったか、自分で体験してみるといいよ、刑事さん」 桜井はある研究の実験台にされて――!?
病院でリハビリを担当している作業療法士の篠は、患者たちに悪戯されそうになったところを、外科医の刈谷に助けられた。腕はいいが気難しい性格の彼の家に居候することになった篠だが、それは戦慄の罠の始まりだった──。「お前の恥知らずな体に、俺の証を刻みつけてやろう」あるきっかけで豹変した刈谷は、篠を貶め、その肉体を弄び歪んだ情交を強要してきた。(なぜ、先生は僕を…?)ただならぬ官能に溺れそうになりながらも、篠は彼の矛盾だらけの行動に疑問を抱く。そしてついに、刈谷との思いがけない因縁を知った時…!?
「いやらしい体だ。清潔そうな顔をして、案外性に合っているのかもな」 突然の事故で父親を亡くし、多額の負債を相続してしまった柚木千郷。同じく事故で意識不明の母のために、屋敷だけは手放したくないと思うものの、坊ちゃん育ちの大学生ではなす術がない。途方に暮れる千郷の前に現れた男・国東廉は、自分の経営する遊郭「蘭華楼」で働けば、屋敷を守ってくれるという。差しのべられた手は、救いの手か黒い罠か? だが、千郷には自分を商品にするしか選択肢はなかった。初々しい千郷の美貌は話題を呼び、たちまち売れっ妓になるが──!?
平凡な大学生だった薙を、ある日突然、触手を持つ化け物に襲われた──狂気と快楽の中、現れたのは紅蓮という粗暴な男だった。「命を助けてやる」化け物を倒した紅蓮は、毒素を抜くためだと言い、抵抗する薙をさらに…!(こいつは狂犬だ。絶対に許さない)紅蓮に復讐を誓う薙だが、そこには過酷な現実が待ち受けていた。特殊な血脈を引く薙は、化け物を呼び寄せてしまう。身体を回復させるのは、同じ血脈の男同士の性行為のみ。しかも最悪なことに、紅蓮とタッグを組み戦うはめに。殺るや、ヤラれるか──血と狂気の運命に翻弄される薙は!?
お前が可愛すぎて、歯止めがきかない 強引なアラブ王と、極甘な蜜月生活 豪華客船の沈没事故で記憶をなくしてしまったファラーシャは、婚約者だというジャナフ王国のラシード王と新婚生活を始めることに。「忘れられないくらい、甘く啼かせてやる」戸惑うファラーシャを、ラシードは情熱的に口説き、夜ごと巧みな愛撫で蕩かせてくる。しかし、断片的に記憶が蘇ってきたファラーシャは、自分の素性に不信を抱き始め……!?
あなたを愛しています――たとえ私の正体が何者であっても… 「可愛い声で啼く…」豪華客船の事故で記憶をなくしたファラーシャは、婚約者だという、美しく逞しいジャナフ国のラシード王に目を奪われる。事故の前までは不仲だった二人だが、ラシードも、別人のように儚くけなげに変貌したファラーシャに心惹かれ、ジャナフへの帰国の船上で二人は結ばれ、愛を確かめ合う。「可愛いぞファラーシャ…俺のものだ」静養のため、王宮で共に過ごし、甘く熱い蜜月を過ごす二人。その甲斐あってか、ファラーシャは断片的に記憶を取り戻し始めるが、それは『ファラーシャ』の記憶とは思えないもので…?
処女を捧げても許されない、公爵に復讐される日々。 愛する男の死んだ日に俺に体を開かせるのも一興だ――。思いがけず 再会した元婚約者のヴァルターは、リゼルを責め、荒々しく監禁した。4年前、愛しあうふたりは結婚の約束を交わしていたが、ある事情から、リゼルは他の男と駆けおちせざるを得なかったのだ。ひとり教会に置き去りにされたヴァルターは、リゼルを男を二股するふしだらな裏切り者と信じきっている。今でも本当はヴァルターを愛しているのに、リゼルは真実を告げられないままに、償いと称して夜ごと狂おしく抱かれるしかない。すれ違うふたりの心は――!? 燃え上がる淫らな執着愛! ★ヴァニラ文庫のコミカライズ版★