毎朝ユーウツに登校する中学三年生の主人公、ツトム。ツトムの周囲にはオトコを求める抜き打ちテスト大好きな先生。ツトムにいつもアピールするが見向きもされない幼馴染。一見普通で変わり者、いつも仲の良いのツトムの両親。肩たたきからおつかいまでできる飼い猫。ツトムの愉快で笑える日常的な生活の物語。
「兄ちゃん、あたしも来年で二十五よ。いつまであたしを縛っておく気?」事故で両親を亡くし、中学にもまともに行かずに働いて妹・洋子を育てた信。自分の幸せを捨てて妹のために生きる兄と、そんな兄にこそ幸せになってほしいと願う妹。大切だからこそ他人に妹を奪われたくない…そんな兄の気持ちを痛いほどわかっていたからこそ、いままで自分の恋をあきらめていた洋子だが、ついに上司のプロポーズを受けることを兄に伝え…(「哀しい人々」)。社会の片隅で懸命に生きる人々の姿を哀感を込めて叙情豊かに描き出す、あすなひろし珠玉の短編集。
これぞ究極の「癒やし系」コミック! その透明感と優しさあふれる作品世界で、再評価の声が高まり続ける伝説の漫画家・あすなひろしの代表的作品を網羅した、待望の作品集!
乱反射する天才、驚愕の文庫オリジナル作品集! パロディ、SF、史劇、そして、遺作。先鋭的なセンスと圧倒的な筆力で、漫画界の最前線を切り拓きつづけた天才漫画家、その驚くべき多面的宇宙。初単行本化作、幻のカラー短編など、レアな作品を多数収録、これまで伝説としてしか語られてこなかった「もうひとつのあすなワールド」を、文庫オリジナル編集で、二十一世紀に解き放つ。
スナックでアルバイトをしている林拓治。同じ店で働いている幼馴染の由起が、店を辞めて名古屋へ行くことになり…。表題作「白い記憶」他、3編収録。
よい漫画は、決して一人歩きはしない。読者の心の中のイメージと共に、豊かにふくらんでゆく。悲哀と優雅が、風の中でたわむれ、貴方の手のひらにソッと触れる…そんな珠玉のような作品集です。
汗臭い身体、大きな肩、優しい目、痛いヒゲ、大きな声、寂しいうしろ姿…過ぎし日、少年にとって、父はまぶしいくらいの大きな存在だった―…。あすなひろしが描く、少年たちの心の物語。
待っていたバスに乗り遅れ、途方に暮れていた亜紀は、偶然通りかかった車から声をかけられる。運転していたのは亜紀が大学生の時教育実習に行っていた中学校の生徒、ジュンだった。ジュンは見違えるような大人の好青年になっていた。助けられた亜紀はホッとするものの、ジュンと話を続けているうちに何かが変だと感じ始める。寒気までがするようになった頃、ようやく目的に着き、車を降りた亜紀はジュンをお茶に誘うのだが、彼は車から降りられないと言い、また会う約束だけを残して走り去っていった…。
庭の隅に咲いたかたばみの黄色い花。まだ子どもだった珪子は、母の咎めを聞かずに花を摘む。小説家である父はそんな娘の姿を見て、自分の小さかった頃のことを思い出していた。花を摘んだ思い出はまるで昨日のことのように思えるのに、いま自分たちの生命を分けた幼い娘が同じことを繰り返しているのを見る不思議さ…。月日が経ち、年頃になった珪子は結婚を間近に控えていた。小説が書けず酒ばかり飲んでいた父を支える母の姿を見てきた珪子。ただ、最近ふたりに微妙な変化が…。叙情に溢れた繊細なタッチで人の心を描き出す、妙手あすなひろしの珠玉の短編集。
自動小銃を乱射しながら、GI(アメリカ軍人)に追われる青年。追いつめられた彼は、突如目の前に現れた奇妙な洋館に逃げ込んだ。住人と思われる女がひとり現れ、銃を突きつける青年に向かって、怪しく微笑んだ。「あなたは恐れるものなどなにもない…」彼女は何故かその青年の名・ゴッドを知っていた。おののくゴッドを招き寄せるように女は語りかける。「私の名はイヴ…」官能と戦慄の表題作「イヴの館」を含む、十編の物語が織りなす珠玉の短編集!
イサムは足の速さが自慢の元気な男の子。将来の夢はパイロット。しかしある時リレーの練習をしていると、異変が……。他二編収録。
中学を卒業したと同時に船乗りになるため故郷を離れたサブこと早川三郎。どんな大きな船に乗るのかと期待して行くと… なんと待ち構えていたのは小さいオンボロ船だった!? サブの青春への大航海が今始まる――!!
わたしはサマーフィールドから来た少年に会った。金髪の「あの子」を探して寂しげな表情の奥にある青い瞳にスーザンの心は虜になる…。「サマーフィールドから来た少年」の他、哀しくも美しい愛を描いた「木枯」など13編収録。
独特な作風で定評のある漫画家・あすなひろしの、さまざまなジャンルにわたる傑作を収録した作品集。優れた美貌とプロポーション、お色気ファッションで男子達の注目を集め、女子達から敵意の視線を浴びる転校生・相良凌(さがら・りょう)。そんな彼女と隣の席になったツトムは、男に甘えるのが上手な凌にすっかりメロメロに。その翌日、凌をめぐって番長と決闘することになったツトムだったが……!?