「いいよ、付き合っても」高校生のクラスには厳然たるヒエラルキーがある。その頂点に君臨するスポーツ万能のイケメン・竹内に告白した元浦は、最下層のコミュ障園芸部員だ。告白了承に有頂天になったのも束の間、「彼氏だろ? カレーパン買ってきて」竹内は元浦を都合の良いパシリとして扱いだした。竹内の要求は次第にエスカレートし、元浦に性処理まで求めるように。そしてある日、不当な扱いに元浦がキレた時、二人の関係は逆転して―――?
元ヤンの番は、喧嘩して倒れていたところを、税理士の江坂に拾われて以降、江坂が紹介した寺で働いている。それから四年、ずっと密かな恋心を抱いているが、死別した妻を今でも想い続ける江坂に、気持ちを伝えられずにいた。ところがある日、酒に酔った勢いで積年の想いを江坂にぶつけてキスしてしまい―――?
新米ADの直樹はロケ先の南米で、通訳として現れた青年・ルカと出会う。不愛想なルカに良い印象を抱いていなかった直樹だが、ルカが国から保護されている未開部族の跡取りで、狭い世界を嫌い外の大学に通っていることを知り、自分と重ね合わせて友情を結ぶ。ロケも佳境に差し掛かった頃、過労で倒れてしまった直樹は、看病してくれたルカに「月の光みたいにきれいだ」と告げる。それは、ルカの部族ではプロポーズの言葉で―――?
大学時代、一度だけ関係をもった親友…ずっと忘れられない棘のような想い出…懐かしい喫茶店で綴られるほろ苦い恋! ※この作品は『echoz 2019年3月号』に収録されています。重複購入にご注意ください。
その夏、俺たちは出会った。お互いに知っているのは名前だけ。管理栄養士として勤めていた小学校で食中毒事件を起こしてしまった水沢と、目の前で親友が滑落事故に遭い死んでしまった登山家の勅使河原。お互いの過去は一切話さず、詮索もせず、心の傷を癒すために共に暮らし、求めあう優しい時間が過ぎていく。そんなある日、勅使河原の知人がまた山に登らないかと訪ねてきて―――?
口も軽けりゃ恋も軽い…初恋の少女に頬を染めていた幼い日々はどこへやら、ゲイバーでみつけた相手とワンナイトラブを楽しむチャラい会社員に成長した樹。そんな樹が、久しぶりに地元へ帰省した時、目の前に現れた超理想の男は、クールで美しい寺の次男坊。いやでも、相手はノンケだし…と躊躇すると、なんと相手から「ノンケじゃなかったら?」と誘惑が! ところが、そこには思いがけない秘密があって―――?
大学生のたつきは、妹を保育園へ送迎するうち、笑顔がステキな保育士のまこと先生と知り合いになる。お互い料理が趣味で話も盛り上がり、もっとまこと先生と親しくなりたいと願うたつき。ところがある日、まこと先生が男性とホテルに入るところを目撃してしまい…?