村はずれの水車小屋には、不思議な時間が流れているかのようだった。美人だけれど、偏屈で人をよせつけない芸術家のヘンリエッタが、大型犬のマーフィーだけを友として、ふたりきりで住んでいる――。水車小屋のもち主で地元の名家の当主ジェイリドは、謎に満ちたヘンリエッタのことが気になって仕方ない。11月のある夜、水車小屋近くで落馬した彼はヘンリエッタに助けを求めるが、突然の訪問は、彼女の警戒心を強めただけのようで…?
静かな暮らしを求めて片田舎のコテージに引っ越してきたウィローだったが、2度も火事を出しかける始末。隣に住むモーガンは、立て続けの不手際に腹を立てて怒鳴り込んだ。ところが見るからに落ち込んだ彼女の姿に、思わず救いの手を差し伸べたくなる。けれどウィローはかたくなに必要以上の援助を断り、心を開こうとしない。いったい彼女はどんな事情を抱えているのだろう。いつの間にか彼は華奢な姿とは裏腹に独立心旺盛なこの女性に強烈に惹かれていたのだった。