家族にゲイとバレてから、居づらくなって都会に出た裕太。田舎にいたら、幼なじみで恋人のナルと一緒にいられなくなると怖かったから。そして今、自分の元へ呼びたいけれど、一人っ子のナルを母親から奪うことも出来ない。都会に来て4年がたって、これを最後にしよう。そう決めた裕太だが…。その他、タイムリープを続けて99回目の告白をする学生や、可愛いモノが大好きな図体のでかい学園の王子様の悩みなどなど、短編を収録。
記憶を失った章は、弟と名乗るイケメン・雪哉に世話を焼いてもらうことに。自分の名前も小説家らしいことも、実感がわかないままで頼れるのは雪哉だけ。それなのに、実は弟ではなく仕事のマネージャーだと知らされ、何を信じていいのか分からなくなってしまう。混乱してゆく中、夢で体をつなぐ雪哉と自分の姿をみてしまい…。
「あの日、耳鳴りとともに全ての音が消えた。この気持ちも一緒に消えてしまえば良かったのに」大学生の豊(ゆたか)と調理師を目指し専門学校に通う二太(にた)はイトコで幼馴染。幼い頃からゲイを自覚していた豊は、おのずと1つ年上の二太を意識しはじめ、高校生のときに告白したがフラれていた。耳と手に因果を持った家相のふたりは高校卒業後上京し、お互いを支え合うように同居を始めるが、いつもそばにいる二太に豊の思いは募る一方だった。豊は年上の恋人・高志(たかし)と体を重ねることで二太への想いを断ち切ろうとするが、そんな行為を責めるように止まない耳鳴りに悩まされる日々が続く。耳鳴りに苦しむ豊を二太が優しく抱いて一晩を過ごした翌朝、耳鳴りとともに豊から全ての音が消えていた――…。ノンケに恋した主人公のいじらしい姿をリリカルに描いた優しい1作――。