「重いんだよ セフレとして見てたのに」――優大は7年前に付き合っていた千秋にひどい言葉を浴びせ最悪な別れ方をした。自分から切り出したはずなのに、忘れたくても忘れられず、壊れた千秋の時計を今でも捨てずに持っている優大。そんなある日、偶然にも二人は再会し…。切ない男心と共に、止まっていた刻が動き出す。
サラリーマンの御子柴明仁は兄と上司・北条の激しいセックスを目撃して以来、彼のことが気になってしかたない。しばらくして、二人が別れたと知った明仁は北条を励まそうと飲みに誘った。すると、泥酔しきった北条が迫ってきて――!?普段は決して見せない表情や顔で甘えられ、兄と勘違いされているとわかっていても明仁の理性は揺らぎ…
自分以外を敵だと決めつけ、サッカー部内で孤立している大牙。特に、同じポジションの部長を目の仇にして噛みついては他の部員から反感を買う毎日。それを気にすることもなかった大牙だが、ある日突然、部長以外の声が聞こえなくなって――?離れたいのに離れられない、いつの間にか二人でいることが自然になっていく…。表題作『キミだけにきこえる』を始めとした、ちょっと不思議な非日常から始まる恋、詰め込みました。
お前の本当の気持ちが知りたい。碧と航大は仲の良い幼馴染。昔からよく、二人で海に行っては遊んでいた。けれどある日、海でセックスをしているカップルを見てから、二人の関係はただの友だちとは少しずつ変わっていく…。歪んだ形のまま、高校生になり、航大は碧が好きだと言うが、それは勘違いだと、碧は航大をつっぱねて――。体が繋がっても、心が繋がるとは限らない。触れられるからこそ、伝えられないキモチ…。