出たら地獄 養護施設の卒業生たち~美香の物語~
優しかった先生やみんな、ありがとう。特に昌也先生―― 大好きなお兄ちゃん、これからも連絡していいよね!? 養護施設を卒園した美香の新生活が始まった。ところが、期待に胸を膨らませて入居したシェアハウスも大学も、施設とは異なり人間関係は希薄な空間だった。今や美香にとって心の拠り所は昌也だけ。卒園当初は生活力のない美香のことを気にかけて、何かにつけてケアしていた昌也だったが、時を選ばず大量のメッセージを寄越す彼女を重荷に感じ始め……。児童養護施設を卒業した若者たちのその後の苦難を描く人気シリーズ連載第2回!
蝶よ花よとそのくちびるで ~わたしの家臣が愛をうそぶく~【単行本版】
信濃千代(しなのちよ)は小さな会社のアラサーOL。お城が名物の地方都市に幼い頃から住んでいる。ある朝、高級車から出てきたスーツのイケメンに、なぜか「姫。お迎えに参りました」と呼びとめられるが、アラサーで姫って冗談でしょ…と相手にしない。男は古賀政永(こがまさなが)。彼は千代の会社を買収した世界的企業のトップだった。「私はあなたの忠実な家臣です」と手を取る古賀は、町の城を買い取り(価格3億)、千代をそこへ住まわせようとするのだが……。『信濃の千代姫』となった彼女のまわりに、ひと癖ある人物が集まり始め、やがて『城』と『姫』にまつわる秘密が明かされていく。男と女の思惑が絡み合う中、千代の気持ちは誰に向かう……?※本書には電子配信中の「【新装 加筆修正版】蝶よ花よとそのくちびるで~わたしの家臣が愛をうそぶく~」(11)~(15)が収録されています。
恋する僕たちは、~スイート・デルタ・プリテンダー~
『自分さえいなければ、目の前の二人は幸せになれるのに、でも…』大学生の≪望(のぞむ)≫と≪こん≫は幼なじみ。望は、自分が恋する女子がみんな、美青年で親友のこんを好きになってしまうという失恋の数々にショックを受けながらも、彼とはウマが合い、これからもずっと友達でいたいと思っている。一方のこんも、自分とは正反対の性格の望と一緒にいることが楽しく、満たされた学生生活を送っていた。そしてこんには、望には伝えていない「ある秘めた想い」があった……。そんな二人の関係は、ある日突然一変する。望が大学で≪花≫という内気なオタク女子に一目惚れしてしまったのだ。急速に仲良くなっていく二人の様子に、こんは、ずっと秘めていた想いを歪んだ形で発出させる。そして花は、望とこんのピュアな友情関係に萌えを感じ、キュンキュンする日々を過ごしていたのだが、胸の高鳴りが次第に恋心へと変わっていってしまうことに戸惑いを感じていた。友情を守りたいのに、好きな人を求める思いが暴走しだす――。不慣れな恋と友情がぐちゃぐちゃに混ざり合う、全力疾走の甘酸っぱい青春恋物語。
恋愛ビッチ図鑑 ~あざと可愛いOLがダサ彼に恋したら~
愛上希星(あいがみのあ)は仕事もそこそこ出来て、男からもモテて、誰が見ても可愛い完璧な女と思い込んでる24歳のOL。前の彼氏と別れて1年、それ以来男ができない彼女は、それは男が見る目がないせいと、夜な夜な女友達と、残念な男どもの愚痴話を繰り広げている毎日。そんなある日、奮起して相席居酒屋へ行った希星は、ナンパ男たちに飽き飽きしながらも、一人のダサ男・内間(うちま)と相席に。全く眼中にない希星だったが、酔った勢いで、童貞だという内間をからかおうするが、逆に絆され一晩を共にしてしまう!翌朝、汚部屋はきれいになっており、朝食の準備も完璧! 家事や料理も出来て、(エッチも上手い?)ズボらな希星には、内間は超便利な男だった。 理想と現実のはざまで揺れるイマドキ女子の恋の迷宮やいかに…(笑)
怒りたくて怒ってるわけちゃうのになぁ
学童の支援員(放課後児童支援員)として多くの小学生と時間を共に過ごしてきた著者・きしもとたかひろ。保育の基礎を学び、子どもたちと毎日を笑顔で過ごしたいとこの道に進んだものの、実際は子どもたちの危ない行いを制止したり、ルールを厳しく伝えたり…と子どもを叱っては落ち込む日々。その中で得た気づきから、お互いが笑顔で過ごせるために何が必要かを学童支援員仲間や、保護者、何より子どもたちの声を元に考え、【子どもと関わるときに気をつけたいこと】としてマンガにまとめました。「忘れものをしたとき」「素直に謝れないとき」「いじわるな言動をしている子に」「手を出してしまう子に」といった子どもに注意を促す場面から、「子どもを褒めるときに」「打たれ弱い子に伝えるときに」「その場しのぎの約束をするとき」など大人が声をかける時に意識したい視点など。学童で過ごす子どもたちのリアルな言葉や行動を事例にしたマンガをきっかけに、専門的な視点と子どもの思いを第一に考えて関わる実践方法をまとめました。
泣きたい夜の甘味処
とある町に、ひっそりとたたずむ一軒の甘味処。熊と鮭が営むこのお店は、夜だけしか営業していません。提供するのは温かいお茶と、甘いもの一品だけ。今夜も、疲れて泣きたい人々がこの店に迷い込みます。夢をあきらめた夜、愛する人を想う夜、自分のことが嫌いになった夜。―そんな夜は、この店で涙を流してもいいんだよ。主人公たちが知らない、もうひとつの視点から綴った描き下ろし52Pに加え、11のお菓子レシピがついています。もくじ・疲れ果てたビジネスマンと昔ながらのドーナツ・会社を辞めたOLさんといちご大福・落ち込んだ新人さんが干し柿を拾う話・夫を亡くした奥さんと梅酒ゼリー・私だけのパフェ・ギャルとばあちゃんとマフィン・がっちゃんのココアクッキー・心配性なお母さんとバナナケーキ・緑のライオンと栗きんとんのパイ・3人の青春とプリン・夕暮れのチーズケーキ
教場
卒業間近!義眼の教官、最後の篩は――!? 警察学校は、警察官の資質に欠ける者をはじき出す篩(ふるい)である。九月に入り、卒業も近くなった九十八期生は男子二十八名、女子五名、計三十三名在籍になっていた。義眼の教官・風間が担当する風間教場では、優秀な都築が総代になるのではないかと見られていた。その都築は、級長の日下部(「調達」)に卒業文集の編さん委員を押しつけられてしまう。宮坂(「職質」)に提出の催促に行くが、その宮坂から「総代になるのは俺だ」と挑発され、風間からは修羅場をくぐり抜けていない人間は使い物にならない、卒業を諦めろと宣告される。このままでは卒業できない…追い詰められた都築がとった最後の手段は…!? 警察小説の新境地を切り拓きTVドラマ化もした大ヒット作の、大好評コミカライズ、ついに完結!!