ほんとにあった怖い話コミックスの感想・レビュー4件山にまつわる怪談集山怪談 伊藤潤二 吉富昭仁 今井大輔 伊藤三巳華 猪川朱美 安曇潤平かしこ同じ原作者の山にまつわる怪談を複数の漫画家が手がけたコミカライズ。結末がいい話で終わるものも多かったのでそんなに怖くなかったです。もしかしたら文章で読んだ方が怖いのかもしれません。漫画としては作家それぞれの表現の違いを楽しむって感じかな。どの人も上手いですがやっぱり伊藤潤二のオリジナリティは突出しているので印象に残りますね。怪談の登場人物が猫になっている怖い話猫で語る怪異 TONOさいろくわかりやすい。個人的には人だったらもっと描写が大変だろうし、猫でコミカルに描かれていることで脳内補完されるので「猫の方が怖くない」と思いました。 最初の作戦は当たってる気がします。 内容は「ほんとにあった怖い話」シリーズから来ている通り、しっかりとホラーで、全然救われるいい話とかじゃないのでホラー好きにはいいけどそうじゃない人は猫マンガだと思って買わないようにご注意。逆に怖さが増してる猫で語る怪異 TONOstarstarstarstarstarひさぴよ怖い話が苦手な人でも読めるように「人間」を「猫」に置き換えて描かれた実話ベースの怪談集。主にTONO先生が友人・知人から聞いた話、又聞きした話で構成されています。 こわーい話でも、猫で描いちゃえば平気でしょう?という訳で、何も怖れる必要はないはずなのですが、結果として語られる話がどれも怖ろしく感じて仕方ありませんでした。 というのも、可愛い猫だろうと何だろうと、どうしたって頭の中で人間に置き換えて想像しちゃうからです。想像次第でどこまでもビビってしまう恐ろしさがある漫画でした。 そもそもですけど、冒頭では怖いの苦手な人のために〜と説明されてたのに、肝心の怖いシーンでは猫じゃなくて人間で描くのは約束が違うじゃないですかッ!寺尾玲子がかっこいい魔百合の恐怖報告 山本まゆり 寺尾玲子マウナケア私が定期的にこの作品を読み始めてもう10年以上経ちますが、この手のオカルトっぽい作品が長く続くというのは、ほんとに珍しいのではないでしょうか。それは、恐怖報告という副題がついているにもかかわらず、怖がらせることに重点を置いていないからなのではと思います。著者である山本まゆりと友人で霊能力者の寺尾玲子が出会った奇妙な現象や、玲子の元に寄せられる心霊相談を受けての話を漫画化した構成。山本まゆりは他雑誌で霊能力者もののオリジナルを執筆していますが、本作では実録ということもあり、エンタメ要素を極力排除して怪異の核心を突くように描いています。で、読後に感じるのは、世の中不思議なことがあるもんだな、ということと、こういうことをするとこんな良くないことが起こるんだ、ということ。怪談落語や昔話にも通じる訓話めいた味わいがいいのですね。もちろん、魔を祓うという部分でのカタルシスもたっぷり。ひょっとしたら漫画にできないような失敗も…、なんて思わせない玲子のスーパーウーマンぷりがカッコいいです。
同じ原作者の山にまつわる怪談を複数の漫画家が手がけたコミカライズ。結末がいい話で終わるものも多かったのでそんなに怖くなかったです。もしかしたら文章で読んだ方が怖いのかもしれません。漫画としては作家それぞれの表現の違いを楽しむって感じかな。どの人も上手いですがやっぱり伊藤潤二のオリジナリティは突出しているので印象に残りますね。