十二歳の時、一晩で吉原の女郎衆六人を相手にしたという野呂半三が、やがて胆力を唯一の武器に義理と人情の男の世界を駆け抜ける太く短かい火花の一生！！
父の突然の死に遭遇した半三はあとを受けて馬方となり、病身の母に孝養をつくしたが、母の寿命は短かった！！野呂半三が天涯孤独の身になったのは十七歳の春だった
天涯孤独の身になった半三が世話になっている松金一家の縄張り内で、マムシの鉄と呼ばれる無法者が傍若無人の大暴れ！！野呂半三、男を売る機会が再度やってきた！！
繊維問屋の娘・市子とひょんなことから知り合った半三は、駆け落ちして川崎で所帯を持ち、新妻をカタに女郎屋からの前借金を踏み倒す濡れ手に粟の新商法を覚えた！！
京浜一帯に勢力を張る三田秀組から盃を貰った半三は鶴見火力発電所の建設工事にからんで宮坂組と二十対三百の出入りとなった。刑を終えて出所した半三は宮坂組へ！！
身体は小さいが肝っ玉だけはどでかい！！その胆力を唯一の武器にして義理と人情の男の世界を火花のように激しく駆け抜ける大師の半三、太く短かい人生の完結編！！
