「あなたは自分を守ってくれる相手なら誰にでも身をまかせるんですか?」違うわ! ただ私は、あの人形のように永遠の恋がしたいだけ。実の祖父に襲われてかけたところを助けてくれた貴。この人と初めて会ったのは、母の葬儀の日だった。高宮家…母の実家。20年前、母が高宮家で家庭教師をしていた父と駆け落ちするために捨てた家。私は母の形見の武者人形の対となる姫人形の持ち主で、父の死後、匿名で私宛に送金を続けてくれていた足長伯父さんを捜すために高宮家に向かった。だけど高宮家には様々な欲望が溢れていた。私を母と間違えて襲いかかる祖父。後妻の祖母。足長伯父さんになりすまして私と結婚しようとした血の繋がらない伯父…。