あらすじ360度パノラマのVRの臨場感に飲まれてゆく男。マッチングアプリで憂さ晴らしする男。忘却の彼方からトラウマを蘇らせる男。何者かわからないものに日常を蝕まれ続ける女。ゾンビの溢れる街でデリバリーに励む男。積年の恨みつらみが臨界点を突破する街……よくある日常の風景がほころぶとき、その僅かな隙間から怪異と狂気に彩られたアメーバ状の恐怖が侵入する! 令和のホラーコミック界を牽引する蒼き新星の初単行本がついに刊行。
表紙からしてヤバいのだけど、中身もそのまんまで期待を裏切らずそれ以上にゾッとさせてくれる。 版画チックというか何重にも線を重ねた絵柄が、解像度の悪いテレビをみているかのような感覚で、一見読みにくくもあるけど目をこらすと見えてくる恐怖がハンパない。 これが演出だとしたらすごい。 内容も、郊外で起こる事件をオムニバス形式で展開しており、それぞれ性的にも猟奇的にもなかなかエグくて読み応えがある。 『令和を代表するホラーコミック界を牽引する』と記載あるが、確かに独創的な絵柄と、テーマとする題材の切り口は、これまで読んだことないような斬新さを感じる。 伊藤潤二っぽさもあるが、別物だと思う。 怖いものがみたい人はぜひ、おすすめします。