多数の婦人票を集め初当選した美貌の三世議員・諏訪芳彦のもとに、吉原にある男の遊郭『花降楼』から一通の手紙が届いた。差出人の名は藤野。心当たりのない諏訪は真相を確かめるべく見世を訪れ、その妓の正体が、諏訪の母親が贔屓にしていた呉服屋「葛屋」の幼い養子・眞琴だと知る。愛らしかった眞琴は、一家離散の果てに妖艶な娼妓・藤野へと成長していた。奈落から連れ出そうと、諏訪は身請けを申し出るが、「一生面倒を見るほど愛している」という身請けの意味を分かっていない諏訪も眞琴は拒絶を示す。大人気・花降楼シリーズ、待望の第十弾!!