あらすじ

八丈島へやってきた味沢匠(あじさわ・たくみ)は、知り合いの鮎原(あゆはら)の店“菊寿司”へ立ち寄り、八丈島で獲れた魚で握った寿司に舌鼓を打つ。その時、島で獲れた魚はすぐに島で食べるのが“島のイキ”だと語る鮎原は、代議士・浅沼(あさぬま)の姪・こずえからの電話に表情を曇らせる。こずえと恋仲であった鮎原は、東京へ進出する浅沼の秘書となって島を出て行くこずえへ「行くな」と言えずに悩んでいて……!?
ザ・シェフ 1

法外な報酬を要求するが、依頼人の希望に応じて料理を作り上げる天才シェフ・味沢匠(あじさわ・たくみ)の活躍を描いた料理劇画。石油産出国であるパミール王国でその全権を握る大臣は、外務省関係者がもてなす帝都ホテルの晩餐をほとんど食べ残して帰る。そこで「幻の料理人」と呼ばれる天才シェフ・味沢匠が、大臣を満足させる晩餐を作るように依頼されるが、味沢はその報酬として500万円を提示して……!?

ザ・シェフ 2

外食産業チェーン「ゆうきフーズ」のハンバーガーショップが近くにでき、お客が減ってしまったレストラン「レンガ亭」の鍋島(なべしま)に、打開策として三日間だけ腕をふるってほしいと依頼された味沢匠(あじさわ・たくみ)。しかしそれでは根本的な打開策にはならないと考えた味沢は、レンガ亭とゆうきフーズの公開試食会でハンバーグステーキの料理勝負をするのだが……!?

ザ・シェフ 3

すぐトラブルを起こしてレストランを転々としているコック見習い・太一(たいち)は、正月に自分が育った養護施設「希望の里」へ帰る。そこで一流ホテルのレストランで重要なポジションであるセカンドをやっていると大口を叩いた太一は、たまたま希望の里へ来ていた味沢匠(あじさわ・たくみ)と夕食のメニューを作る事になり、西洋風オードブルを任されてしまうのだが……!?

ザ・シェフ 4

M市観光ホテルで入院が長引きそうな現料理長に代わって、セカンドコックの上岡(かみおか)、堤(つつみ)のどちらを次の料理長にするかについて参考意見を出すことになった味沢匠(あじさわ・たくみ)。代理料理長として上岡と堤の仕事ぶりを見ていた味沢は、ある日、2人にカキのフローレンス風グラタンを一つずつ作らせて客に出し、上岡のグラタンのほうが高評価を得るのだが……!?

ザ・シェフ 5

幼なじみの鮎子(あゆこ)と二十年ぶりに会った味沢匠(あじさわ・たくみ)は、その後、鮎子と結婚した旧友・貢(みつぐ)と話をするが、彼はギャンブルにはまって鮎子が営むレストラン「エトランゼ」以外はすべての財産を使い果たしていた。そしてなんとか用意した五百万円で味沢にエトランゼの再興を依頼した鮎子だったが、その金を見てギャンブル熱に浮かれる貢は、鮎子の母の形見であるネックレスにまで手を出そうとして……!?

ザ・シェフ 6

御曹司・結城明人(ゆうき・あきひと)の会社で働く父親をクビにするぞと脅される哲男(てつお)は、明人に馬鹿にされながらこき使われる日々を送っていた。そこへ料理を作るためにやってきた味沢匠(あじさわ・たくみ)は、豪華客船のコックとなって海で生きたいという哲男の夢を知り、実現すべきだと語るが、しがらみに悩む哲男は卑屈になる。そして明人に激怒した哲男は、猛毒を持つオコゼの棘を明人に食べさせようとして……!?

ザ・シェフ 7

台風の夜、弟子の太一(たいち)へヒラメのムース・ソース・アメリケーヌを出した味沢匠(あじさわ・たくみ)。その料理のうまさに感嘆した太一は、なぜ急にこの料理を作ったのかと尋ね、味沢は台風になるとある出来事を思い出してこの料理を作ってみたくなるのだと答える。その出来事とは25年前、画家の父、ピアニストの母とともにマルセイユ行きの船に乗っていた幼い味沢は、この料理を堪能した後、悲劇に見舞われて……!?

ザ・シェフ 8

新橋ファーストホテルを定年で退職となった料理人・樋口(ひぐち)は、支配人に頼んで明日の会食料理である明治四年の天長節奉祝晩餐会のメニューを再現したディナーを自分に任せてもらおうとするが、味沢匠(あじさわ・たくみ)に依頼していると言われてしまう。そして翌日、厨房で味沢の作るメニューをチェックしていた樋口は、メニューにあるルルヴェ料理について味沢へ意見し、急遽その料理作りを任せられて……!?

ザ・シェフ 9

金持ち子息令嬢達の成人祝いのホームパーティ料理を依頼された味沢匠(あじさわ・たくみ)は、その前日に腕の傷が痛み出してしまう。そんな味沢を心配する弟子の太一(たいち)は、自分の成人式をあきらめて味沢についていく。そして依頼人の豪邸で料理を作ろうとした味沢は、腕が痛んで料理できず依頼を断ろうとするが、太一が自分にやらせてくれと言い出して……!?

ザ・シェフ 10

とあるバーで一人お酒を飲んでいたワケアリ美女・沙夜子(さよこ)は、たまたまそのバーで飲みに来た味沢匠(あじさわ・たくみ)に、今日は自分の誕生日なので何か料理を作ってほしいと頼み込む。一度は断った味沢だったが、バーのマスターにもお願いされて、バーにある材料で即興に生野菜のカクテルソースを作り上げる。そしてマスターも沙夜子へオリジナルカクテル「ミッドナイト・レディー」をプレゼントして……!?

ザ・シェフ 11

レストランでピアノの弾き語りをしていた香月汀(かつき・みぎわ)は、どうせ客は自分のピアノなど聞いていないと投げやりになっていた。そんな時、汀はその店へやってきた芸能プロ社長・鍋田(なべた)と過去の因縁から険悪な雰囲気になるが、そのレストランで料理を作っていた味沢匠(あじさわ・たくみ)の機転によって救われる。そして実は味沢とはいとこ同士であった汀は、味沢へ自分の後悔話などを語っていくが……!?

ザ・シェフ 12

女優・渚レイ子(なぎさ・れいこ)の部屋で、誕生パーティーの料理を打ち合わせしていた味沢匠(あじさわ・たくみ)は、スキャンダル雑誌に密会写真を撮られてしまう。その後、フィルムを取り返すべく雑誌社に乗り込んだレイ子は、味沢の料理に満足できれば写真は載せないと言い出した編集長を、彼女の誕生パーティーへ招待することに。そして過去に写真掲載で女子高生を自殺に追い込んだ編集長へ、味沢は特別な料理を用意して……!?

ザ・シェフ 13

リヨンへやってきた味沢匠(あじさわ・たくみ)と太一(たいち)は、かつての友人・マルセルが働く三つ星レストラン「ペール・ポプキンス」で食事していくが、彼の作った料理に失望する。そんな時、ペール・ポプキンスで美食家達が会食することになり、自信がないマルセルは味沢に手伝ってほしいと依頼する。しかしその当日、腕の傷が痛み出した味沢は、厨房から出て行ってしまうのだが……!?

ザ・シェフ 14

久輪遠カントリークラブのレストランで料理を作ることになった味沢匠(あじさわ・たくみ)は、そこへやってきた西(にし)会長とプロゴルファー・羽田(はねだ)に米料理を出して蘊蓄を語る。かつてゴルフトーナメントでボールをギャラリーに当ててしまい、それ以降スランプに陥っていた羽田は、そんな味沢の料理でスランプを治してもらおうとするが、その依頼を一蹴した味沢に別のレストランを紹介されて……!?

ザ・シェフ 15

実業家・田所(たどころ)にフグ料理屋「とらや亭」へ呼び出された味沢匠(あじさわ・たくみ)は、非常識な態度を見せる田所の依頼を一蹴する。その後、とらや亭の店主・河村(かわむら)は、出資者である田所から無理な要求をされて味沢へ相談しに行く。その要求とは、毒があるかもしれないフグの肝臓を食べさせる事であり、内臓料理を出したらフグ料理の免許が剥奪される河村は、味沢に料理してほしいと依頼して……!?

ザ・シェフ 16

金持ちの一人娘でありながら、しがない営業マン・健次(けんじ)と結婚したまどかは、自分が彼に告白した記念日に結婚披露パーティーをしようと、父親と共に味沢匠(あじさわ・たくみ)へ仕事を依頼する。しかし味沢から先約があると断られ、気分が悪くなってしまったまどかは、夕飯も作れず健次と口論になって実家へ帰ってしまう。そして翌日、まどかを迎えにやってきた健次は、まどかと義父母をある店へ連れて行き……!?

ザ・シェフ 17

テレビで見た女流評論家・山西(やまにし)を自分の母親だと思いこむ日系フランス人のサトル・クレマン。そんな彼がフロア係として働くレストランの臨時シェフとなった味沢匠(あじさわ・たくみ)は、ソワソワして落ち着かないサトルを一喝する。そして偶然にもレストランへやってきた山西のテーブルで給仕したサトルは、母親の写真が入ったロケットペンダントを彼女のそばにわざと落として……!?

ザ・シェフ 18

ニューヨークの老舗ホテル「リッツ・カールソン」の副支配人として懸命に働く東条(とうじょう)は、従業員の質の低さにストレスを感じていた。そんな時、東条に呼ばれた味沢匠(あじさわ・たくみ)は、ホテルのレストランを大盛況にするが、営業終了後に味をつけずに肉を焼いて食べる東条を目撃する。そして東条の妻から電話で呼び出された味沢は、外国に住み始めるとかかる病気があり、あなた以上にご主人の方が病気が重いかもしれないと告げて……!?

ザ・シェフ 19

シーサイドホテルで働くことになった味沢匠(あじさわ・たくみ)は、そこのチーフコック・磯野(いその)が三年前に女房に逃げられ、経営していたレストランをやめ、幼い息子・タケシを連れてこのホテルへやってきたのだと支配人から聞かされる。同じ頃、磯野父子と親しくしていたホテル従業員の和美(かずみ)は、売店へ買い物に来た女性がタケシの母親だと気づくのだが……!?

ザ・シェフ 20

レストラン「ラマージュ」で働く味沢匠(あじさわ・たくみ)は、部下に誘われて人気のフランス風タコヤキ屋台へ行き、そこの店主であった河原(かわはら)と再会する。死んだ父親が仕事で使っていたタコヤキ器を見つけた事でこの屋台がひらめいたと話す河原は、味沢からフランス料理のオードブルとして通用する味だと褒められる。しかし数日後、屋台の売り上げが急に下がった河原は、味沢のいるラマージュへ行って……!?

ザ・シェフ 21

クリスマスの夜、ホテルのレストランでひとり寂しく料理を堪能する雪村鈴子(ゆきむら・すずこ)は、偶然相席になった野咲百合江(のざき・ゆりえ)と楽しく過ごす。そして客席へ挨拶に来た味沢匠(あじさわ・たくみ)を見る百合江の様子から、彼女がここに来た目的は味沢に会うためだと悟った鈴子は、彼と言葉もかわさずに帰る百合江を不思議に思う。そんな時、鈴子はホテルのクローク係のミスで三島(みしま)のコートを渡されて……!?

ザ・シェフ 22

味沢匠(あじさわ・たくみ)とスキー場のレストランへ仕事にやってきた太一(たいち)は、スキージャンプの選手・冬木(ふゆき)を見かけて声をかけるが、彼の態度の悪さにムッとする。そしてレストランで、そこは自分の予約席だと言い張って他の客とトラブルを起こした冬木を一喝した味沢は、その翌日、人身事故とジャンプでの失敗による骨折で挫折していた冬木のために特別料理を……!?

ザ・シェフ 23

オマールえびを中心にしたシーフードファミリーレストランの経営に成功した海老原(えびはら)は、八年前オマールえびの輸入に苦戦していた時、頼りにしていた味沢匠(あじさわ・たくみ)に依頼を断られた事を恨んでいた。そして妻が作ったオマールえびの料理に元気づけられて現在の事業を成功させた海老原は、偶然再会した味沢へ高額の謝礼を突きつけて、本格的で豪華なオマールえび料理を依頼するのだが……!?

ザ・シェフ 24

紫陽花が咲く季節、レストラン「プリュイ」で広志(ひろし)へ別れを告げる潤子(じゅんこ)。その一年前、恋人・早人(はやと)に振られて傷心の潤子は、プリュイの軒先で営業マンの広志と出会い、プリュイで一緒に味沢匠(あじさわ・たくみ)の料理を食べたのがきっかけで広志と付き合い始めたのだった。しかし現在、早人に迫られて復縁する事にした潤子は、味沢から思い出の料理とともに紫陽花のハーブティーを出されて……!?

ザ・シェフ 25

パリの三つ星レストランを買い取ろうと画策する実業家・蓮見(はすみ)は、自分のレストランで働いてもらう味沢匠(あじさわ・たくみ)を案内中、レストランのゴミ箱を漁る老人と出会い、彼が軍隊で同期だった塚本(つかもと)だと気付く。その昔、塚本と一緒に元華族の家で強盗を働いた蓮見は、塚本を裏切って盗んだ品物を独り占めし、事業を成功させていたのだった。そんな時、塚本が蓮見へ話があると言い出して……!?

ザ・シェフ 26

不倫関係になった一流企業の部長夫人・生方奈保子(うぶかた・なほこ)と少年サッカーのコーチ・諏訪勇(すわ・いさむ)は、密会後に駅前のレストランでフランス料理を食べ、そこのシェフである味沢匠(あじさわ・たくみ)に挨拶される。その翌日、昨夜に起こった強盗殺人事件の容疑者として捕まった諏訪は、犯行時刻には駅前のレストランで奈保子とフランス料理を食べていたと話すが、奈保子はそのアリバイを否定して……!?

ザ・シェフ 27

レストラン「ヴェイキュール」へ行くためタクシーに乗った味沢匠(あじさわ・たくみ)は、運転手の轟(とどろき)からそのレストランは最低だと聞かされる。三年前にレストラン経営で失敗して借金を抱える轟は、妻子と別居してタクシー運転手になり、おざなりな食生活を送っていた。その後、タクシーに乗った客からヴェイキュールの特製弁当が大人気だと聞いた轟は、行列店となったヴェイキュールで噂の特製弁当を食べるのだが……!?

ザ・シェフ 28

バレンタインデーを意識し、スキー場でカッコイイ男をゲットしようとスキーが下手なフリをする美雪(みゆき)は、イケメンの南郷(なんごう)と知り合い、自分の別荘でのバレンタインパーティーに誘う。一方、美雪のように積極的になれず、亡くなった兄の事ばかり思い出す令子(れいこ)は、美雪の別荘にシェフとして雇われた味沢匠(あじさわ・たくみ)に、兄が好きだったホワイトチョコレートをプレゼントするのだが……!?

ザ・シェフ 29

愛犬・リベルテといつも一緒にいる内気な小学生・悟(さとる)は、両親が海外へ行っている間、味沢匠(あじさわ・たくみ)に料理を作ってもらう事に。しかし味沢に野菜炒めを出された悟は、自分は野菜嫌いだから他の料理を作ってと言うが、味沢に拒絶されて泣きながら部屋を飛び出す。その翌日、様子がおかしいリベルテを味沢に獣医へ連れて行ってもらった悟は、帰る途中、元気になったリベルテが野良犬達と餌を食べているのを見て……!?

ザ・シェフ 30

死の危険を顧みず戦地へ出かけて取材する国際派ジャーナリストとして名高い尾関正彦(おぜき・まさひこ)。そんな尾関のアシスタントカメラマンをする葉原(はばら)は、ヤケ酒を飲んでいたバーで再会した味沢匠(あじさわ・たくみ)へ、報道機関との細いヒモのような契約を頼りに自ら戦場に身を置くカメラマン“ストリンガー”に比べて、弟子達に仕事を任せて自分は女と遊んでいる尾関がくだらない人間だと話すのだが……!?