ストアに行く
もっとみる
閉じる
メニュー詳細
美術高校の彫刻コースに通う樋口は、女子率の高い中の貴重な男子というだけでなく、その端麗な容姿で校内でも知られる存在。ただしマイペースがゆえに人に興味がないと誤解され、コミュ障気味。一方、油絵コースの鶴見は陽キャよろしく人当たりの良さそうな印象なのに、絵のことになると「男に抱かれた経験すらないおれには“それ”が理解できない！」と、変態的なまでの探究心を滲ませるギャップの持ち主。ある日、校内の廊下に展示されていた鶴見の作品に魅入った樋口は、引き寄せられるように鶴見本人を尋ねる。褒められ、素直に喜び、次は同じ題材で「あれよりもっといい絵を見せてやるよ」と笑った鶴見に謎の感情を覚えた樋口は、“彼の最高の絵を見る”という自分の望みのためにも「協力しようか」と申し出る。その題材は―― 悶える情婦。
「俺を女だと思って触って」 「悶える情婦」のテーマの真髄を求める鶴見に手伝いを申し出た樋口は、鶴見の突飛な行動と言動に戸惑いを見せるも、気づけば流されるまま保健室のベッドで鶴見にのしかかり……。芸術家ゆえか、若さゆえか、止まらない未知への好奇心が二人の関係を急加速させる！
「情婦の感情を理解するため」と検証と称して体を重ねた鶴見と樋口。アトリエで情婦の絵に向き合う鶴見は、筆を進めながらも樋口に抱かれた感触を思い出してしまい一人で致すことに。でもそれでは全然足りず……。
創作のための「資料」という扱いに収まった二人の肉体関係はその後も続いていたが、樋口はそんな中途半端な関係にもどかしさを感じていた。そんな時、鶴見に「夏らしい遊びをしようぜ！」と提案され、気持ちの行き違いはそのままにお泊り会を実施することに。高校最後の夏、変わらぬ関係に一石投じる大イベント。二人の関係の行く先は――？
卒業制作の進捗も芳しくない中、樋口は鶴見を抱きたい衝動ばかりが先立って何も手につかない末期状態に。研究のための行為の最中も、頭に浮かぶのは押さえられない「好き」の気持ち。「恋」を自覚し、研究ではなく本来の意味で「雅章君を抱きたい」と宣言した樋口に、これまでとは違う感情が芽生える鶴見だが――。
お互いがお互いを焦がれ、こじれた結果、距離を置くことにした二人。自分が相手に何を求めているのか、自分たちの関係は？ 悶々と考え続ける間も時間は流れ、それぞれの卒業制作が完成してゆく。鶴見の作品を前にした樋口は、鶴見に秘められていた気持ちに気づいて……。
卒業制作の展示でお互いの気持ちを全てさらけ出した彗と雅章。お互いの気持ちを紐解き、ひとつの糸になるよう自分の言葉で「いとしさ」を伝え、今までのお遊びや興味本位でなく、本当の意味で繋がることができた。この先を見据えた2人の恋の行く末は……。
