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玉村バレエ団に所属している永宮ユリ子は、ある日、父と母が深刻な表情でこれからのことを話し合っているのを耳にする。父の会社が赤字で倒産するというのだ。「大好きなバレエを続けられないかもしれない」と思うユリ子だったが、その際、幼い頃から両親から死んだと聞かされていた兄が生きていることを知る。ユリ子は兄と再会するのだが……。「バレエ」をモチーフに、親子、兄妹の情を描いた『踊ろうユリ』(1967年「りぼん」本誌別冊付録、集英社刊)のほか、『死の館』(1966年3月号「りぼん」、集英社刊)を所収。『死の館』は著者自身が好んでいたエドガー・アランポー原作『アッシャー家の崩壊』をコミカライズしたもの。ストリーテラーとしての才能の萌芽を感じることができる。