舞台は琵琶湖。湖より力を授かる一族の、分家の青年と本家の跡取り息子は、似た力を持つ一族の息子と高校で出会い、反目する。どちらかがこの地を出て行くか……という時に、彼らの前に、高校の校長が現れる。彼の目的は……? ◉◉◉◉◉ 巨大な琵琶湖と城の歴史、水路を船で通学する風景の非日常感と気持ち良さ(モデルは彦根等と言われますが、水路に関しては近江八幡も近いと感じました)。水を介して発生する異能は、水面を波立たせ、豪快にしぶきを上げて迫力! 異能自体は精神や時間に作用し、緊張感あるバトルが繰り返されます。しかし、登場人物たちは皆、異能に振り回され、異能を忌み嫌っている。誰一人として幸福にしない異能を、それでも使うのか……それぞれの覚悟が試される展開の切なさ。 そして男の子それぞれの愛らしさに加えて、女性陣も皆可愛い!異能と因縁に恋も加わって、スリリングなストーリーは読み応え抜群!
タイトル通りゆるーくサバイバル漫画ですね! よつばとをサバイバル世界に投入させた感じ。 サバイバルで家族以外誰もいない簡単にご飯も食べられない状況なのに「いいな〜」と思ってしまう不思議な漫画。 期間限定だったらサバイバルしてみたい…
『ゆるさば。』ロスです。 登場人物みんな幸せそうなエンディングに、私は一人寂しさを覚えています。終わっちゃうの……? 父ちゃんと三人娘の、退行世界冒険記はとても自由で楽しくて、娘達の成長も頼もしくて……でもその中でも一番楽しんでいたのは、やっぱり父ちゃんだったと思います。 私はおじさんで独身者です。休日には一人、雑木林にきのこを求めて分け入るくらいには冒険好きです。いまは一人でやっていますが、もし家族がいたら……息子でも、娘でも、自然の冒険を教えるかも。だって子供の成長を見るのが楽しそう。 だから父ちゃんが三人娘を遊ばせて、時にウンチクを垂れてうざがられても動じない感じ、分かる。 そう、私はこの作品を、父ちゃん目線で読んでいたのです。だから、読み返して一番切ないシーンは、冒険の終わりを躊躇って、本当に終わりでいいのか?と聞く父ちゃん。ツムギとモモと、リンの「三人娘」との旅の終わり。 この作品、例えば家族でキャンプとかしたくてキャンピングカーを買ってしまうような、子煩悩な冒険好きには凄く同感してもらえるかなぁ、と思うと同時に、そういう人はラストで、私と同じ様に絶対泣くね。
ここは東京都あきる野市。タワマンもお台場もないけれど、ちょっと歩けば自然がいっぱい!何でも作れるけど仕事が暇な父たんと、今日は何して遊ぶのかな......(ちょっと面倒) ----- あきる野市は、都心から西にちょっと(?)離れた、そこそこの(?)ベッドタウン。新宿から拝島駅経由、JR五日市線でおよそ1時間。八王子や青梅に隣接する。秋川渓谷や丘陵地帯を擁し、武蔵五日市駅から三頭山(檜原都民の森)へのバスがあるなど、自然にとても近い街。 自然大好きな漫画家の「とうたん(父)」は、連載を打ち切られた時に、「家賃が安い」という「かあたん(母)」の後押しもあり、この地への移住を決める。その時お腹にいた子が13歳になり、10歳、4歳の三姉妹と、かしましくも楽しい「ちょい田舎暮らし」を楽しむ、そんなお話である。 とうたんのアウトドアスキルと好奇心に振り回されつつ、三者三様にとうたんとの遊びを楽しむ姉妹。特に中学生の長女は、簡単には父についてはいかないが、その歳なりの付き合い方で楽しませる父の懐の深さが優しい。 そしてとにかく食に関しては、都会では絶対に手に入らない食材が盛り沢山。調理に成功すればめっちゃ美味いし、多少失敗しても、それすらも楽しめる。「東京」でこんな食生活を送れるなんて、羨ましい。 とうたんは、アウトドア以外でも(暇なのか?)子供達の相手をよくする。そして子供達の写真などの記録をとりたがる。それはまるで、過ぎていく今を何とか繋ぎ止めようとするようで、一緒にセンチな気分になる。 大ゴマで、見開きで、展開される自然と子供達の光景に、息を飲む。そんな美しい自然と、程良く触れ合いながら生き生きと暮らしたいと願う人に贈られた「あきる野暮らし漫画」。憧れるし、あきる野に住みたくなる、そんな作品だ。
文明の断絶、野生の侵攻……変わり果てた世界に取り残された、父と小・中・高の三姉妹。どうやったら元に戻れる……いやそれより、どうやってここで生きていこう? ……と言いつつ、家族の他に誰もいないこの世界。どこに入っても、何をお借りしても自由!残された文明を遊ぶ家族は、基本楽しそうで、明るい。この自由感、例えば『地球の放課後』(吉富昭仁先生)と同等か、さらにゆるい。 父は「まずは食が大事!」と方針を定め、残された加工食品を費やしつつ、少しずつ野生からの食材調達を試みるが、次第に家族は、ある事に気付く。 「自然旨っ!」 娘達は、素材の味と父の調理技術で大地の恵みを満喫しながら、少しずつ新たな食材を求めて努力を始める。 それはすぐに上手くはいかないが、苦心と労力にはリアルが感じられ、少しずつ新たな挑戦が実る喜びも、共に感じられる。 そして家族が乗り出す世界は、文明の残骸に自然が侵食してきた退行世界。時が止まった寂しさと、巨大な文明を飲み込む自然の雄大さ。この魅力を理解するとしたら…… 恐らく、廃墟マニア。 荒廃した世界に圧倒される子供たちの小ささと、咎める者のない自由の中で躍動する、若い身体を交互に描写し、世界を生き生きと輝かせるこの作品。 絶望なんか追いやって、今を生きることを「ゆるく」満喫する家族と共に、退行世界を楽しみたい。 3巻までの感想。
舞台は琵琶湖。湖より力を授かる一族の、分家の青年と本家の跡取り息子は、似た力を持つ一族の息子と高校で出会い、反目する。どちらかがこの地を出て行くか……という時に、彼らの前に、高校の校長が現れる。彼の目的は……? ◉◉◉◉◉ 巨大な琵琶湖と城の歴史、水路を船で通学する風景の非日常感と気持ち良さ(モデルは彦根等と言われますが、水路に関しては近江八幡も近いと感じました)。水を介して発生する異能は、水面を波立たせ、豪快にしぶきを上げて迫力! 異能自体は精神や時間に作用し、緊張感あるバトルが繰り返されます。しかし、登場人物たちは皆、異能に振り回され、異能を忌み嫌っている。誰一人として幸福にしない異能を、それでも使うのか……それぞれの覚悟が試される展開の切なさ。 そして男の子それぞれの愛らしさに加えて、女性陣も皆可愛い!異能と因縁に恋も加わって、スリリングなストーリーは読み応え抜群!