友人の自殺を止められなかったことを悔いていた黒崎は、とある事故で17年前にタイムスリップしてしまう。未来を変えるため、友人の死を防ぐために、当時の「棋譜の記憶」を頼りに、将棋の世界で成り上がることを決意する。
地元に帰り、両親の営む書店を継ぐことになった湊。そんな彼に、元カノから不思議な連絡が届く。そして出所して人生を再スタートさせようとする“おじさん”と3人の新しい日常が始まる。
いい歳のおじさん・名見田(なみだ)は、殺人を請け負う「会社」で長いこと「殺し屋」として勤めてきた。ある日、いつもとちょっとだけ違った仕事をこなした名見田は、体力的にもキツいし、「会社」を早期退職することに。とりあえず、フードデリバリーを始めてみたものの、配達が遅れてしまいクビとなってしまう。いきなり無職になってしまった名見田は、偽造免許が普通二種免許付きだったことに気づき、前薗(まえぞの)として博多・中洲のタクシー運転手に転職することにした。一方で、名見田の退職に伴って積年の恨みを持った「元・仕事相手」が、彼のもとに迫ろうとしていた。50ページ