どうぞお見知りおきを――。 胡散臭い医者のもとに訪れる患者の抱える病とは‥…。 ある街にどんな病気でも診てくれる医者がいるらしい。 ただ人も妖も金をつめば診ることから「藪医者」と呼ばれていたとか。 その胡散臭い医者のもとには、奇病におかされたというヒトや妖がやってくるが……。 秘密を抱えた者、よからぬ欲望を抱く者、そして後悔におしつぶされる者―― 今日も怪しさ全開の医者のもとには患者が訪れる。
記憶をなくして目覚めた妖・がれき。自分が何者かは分からないが、妖である自分は疎まれ、人とは相容れぬ存在であることは分かった。そんな中、妖相談所なるものを営む青年・むべと出会う。彼の用心棒として行動を共にし、数々の妖と出会うことによってがれきは己のことを、そしてむべのことを知っていく――。