私が、女學校ニ学年の時、新しい女中(ねえや)がきた。新しいねえやは「いいひと」だった。だけど6年経ち、ねえやはここを辞めてしまうという――。大正浪漫、昭和モダン、女学生エス、人魚、モガなどの数珠玉の百合短編集。
タイピストである瀧子と女学校教師の珠美は、小日向女子アパートの一室に2人で住んでいる。ある日、食堂でもらったという燐寸の中から英語が書かれた、暗号のような紙が出てきたのをきっかけにあれよあれよと謎めいていき…