「ありがとう。お前の初めてに、俺を選んでくれて」蒼黒騎士団の治癒魔法士メディリアと騎士団長のウォルドは、兄妹同然に育った幼馴染。メディリアは彼にずっと恋心を寄せているのだが、鈍感なウォルドは気づいてはくれなかった。だがある任務で謎の植物に襲われ、メディリアをかばったウォルドは小さな傷を負ってしまう。何とか退治はしたものの、その夜熱に浮かされた様子のウォルドがメディリアの部屋を訪ねてきて……
「……あなたの傍にいるのは私だけでいい」父の跡を継ぎハルヴェール公爵となったロゼッタは、相手に舐められないよう男物のスーツに身を包み、激務の日々を送っていた。日頃の疲れのせいもあり、ある日のパーティーで酒に酔ったロゼッタは、婚期を心配してくれた年下の執事ブラッドを挑発してしまう。「そこまで言われたら責任を取らざるを得ませんね」豹変したブラッドを前に、経験のないロゼッタも引くに引けないまま……