とある理由から金が必要となった渉に、工面できるあてはまったくなかった。弟の修は仕事で成功しているものの、疎遠になっていて借金などできそうにない。困った渉は、一回のデートで五万円もらえるという話に引かれ、秘密のデートクラブへの登録を決めた。緊張しながら足を運んだ客との待ち合わせ場所で、渉は八年振りに修と再会する。なぜか修は、デートクラブのことを知っていて──。
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録】「どうぞお好きなだけ見て触ってください」気高く美しい翠蓮は、嫁げば必ず短命に終わるという婚姻から従兄を救うため、身代わりに非情と噂の汪国新皇帝・哉嵐の後宮に輿入れした。けれど霊獣を操る哉嵐に偽物だと見破られ、哉嵐に宿る黒龍の飢えを満たすため彼に抱かれる事で許しを得る。噂とは違い寛大で優しい哉嵐に夜ごと愛され、広い後宮でたった一人の妃として寵愛を一身に受けて幸せな日々を送るうち、翠蓮は強く哉嵐に惹かれていき……!?身代わりから始まる汪国後宮溺愛譚、開幕!
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】パン職人のミハルは父の遺言に従いルサーク王国まで旅してきた。そんなミハルを助けてくれたのは狼耳も凛々しい王太子・アレクセイ。王子はミハルを庇護し、パン屋を開けるよう力を貸してくれる。ミハルが作るパンはとても美味しくすぐに町一番の人気に。早く恩返しがしたいとさらに頑張るミハルだが強盗に襲われ、危ないところをまたアレクセイに助けられる。優しくて勇敢な彼に強く惹かれていくミハル。けれど王子と平民、身分違いなうえミハルには絶対に知られてはいけない秘密があり……。