恋心を封印し、更なる高みと成功を目指すプリマドンナを待ち受ける真実の愛。■「違う! 駄目だ!」若きマエストロの怒りにフリーズするプリマドンナ聖香。ヨーロッパで大成功を収めて故郷富山への凱旋公演の成功が危ぶまれるなか、かつてマエストロと燃え上がった愛を封印して精進を重ねてきた自らを振り返る。疎外され続けてきた故郷での少女時代に希望と目標を与えてくれたマエストロ・アントニオの演奏姿。東京への進学、イタリア留学、そしてアントニオとの奇跡的な出会いから伝説的な衝撃デビューを飾ったこれまでのキャリアを辿りながら、さらなる高みを目指す聖香。そこにはアントニオとの愛の再会とさらなる飛躍の舞台が待っていた。イタリアと富山、過去と現在、舞台と現実を錯綜させながら描き出される愛と挑戦のラブロマン。
3つの美の物語が1つの愛へと成就していく切なく美しいラブロマン。■夜11時の『シンデレラチャット』。彼のリードで、少しずつエッチなことをして、恥ずかしくなって、感じて……。彼のこと、もっと知りたい――。ヴァーチャルとリアルを行き来する、スリリングな恋の行方は!
「私に触って」互いの肉体に触れてトラウマを克服していく異色の恋愛ロマン。■「男の人を愛することが私にもできるのかしら」 異性に心を閉ざして孤独に生きていた27歳の奈津子と25歳の直人。お互い、子どもの頃に心に深い傷を負い、一生異性と関わることなく生きようとしてきた。そんな二人を、婚活インストラクターの上原が、異性への心の扉を少しずつ開きながら、婚活へと巧みに誘導していく。そのとき障害となったのが、異性の肉体に対するトラウマだった。それに対して上原がとった方法は、半睡状態にある相手の身体へのタッチ・コミュニケーションを通して、異性の肉体への忌避感を取り除いていこうという奇妙なもの。果たして、二人は、互いの肉体に触れることでトラウマを克服して愛し合えるようになれるのか。孤独な魂の愛への目覚めを描く、異色の恋愛ストーリー。
『春の小川』の失われた歌詞を巡る、渋谷の巫女たちの都市伝説的ロマン。■「え、私の身体の中に何が入ってくるの?」渋谷のヒカリエに勤める知的美女の美姫は、渋谷駅の大改造計画が進む中で、かつて渋谷駅前を流れていた穏田川の神に憑衣され、川の魂と記憶を守る巫女となる。そこへ『春の小川』と同じ名前のハル・オガワ・ルートヴィッヒという日系ドイツ人の少女が現れたことで、穏田川ほか渋谷の川と坂の神々が、失われた春の小川を巡ってざわめき立つ。川と坂の神々の4人の巫女とともに、渋谷の歴史と記憶を守る使命を授かった美姫、現場に立ち会うことになったハル。巫女を守る守護士と巫女たちとの男女模様、新たな守護士との仄かな恋。現在進行中の渋谷駅再開発計画を舞台にした異色の都市伝説的ロマン。
風俗遊びの求道者に誘われる、一期一会の異界への旅■「エッー!私が風俗の取材を!?」離婚で傷心の女性編集者の遊子は、大物小説家から風俗をテーマにした新作の準備取材を託される。吉原、鴬谷等の色町を舞台に調査や取材を進めていくうちに、風俗の背後のある思いもよらなかった奥深い世界に惹かれ、色道を極めようとするストイックな風俗熟達者矢水に心を寄せていく。青山に住むヒロインが、下町のグルメスポットで取材を重ねながら、食と色と異界と男女の逢瀬の世界の中に新しい生き方と愛のかたちを発見していく、異色の都市ロマンス。