お前はもう私のものだ。そのことを忘れるな。■亡き蛮族の母の血をひく緋恵は、もの珍しい紅い髪に、柘榴色の瞳をもつ。十八のとき、齢七十を数える皇帝に見初められ、後宮へと召し出された。老いた皇帝に弄ばれることを厭いながらも、覚悟を決める緋恵。だが、三か月経っても、褥に呼ばれることはなく、ある日突然、老皇帝の崩御の報せを受ける。皇帝の圧政に苦しんできた属州の若き王、蒼寿が反旗を翻し、帝国の新たな支配者となったのだ。恐ろしく猛々しいと噂の蒼寿は、すぐさま爛れた後宮の側室たちに退去を命じるが、なぜか緋恵だけは手元に置くという。「皇帝と閨をともにし、悦ばせていたのだろう? 今更、純潔の乙女のように怯えることはない」蒼寿は、緋恵がまだ無垢だとは知らず、老皇帝を悦ばせていた女を許せぬと、束縛し、辱める。だが、冷酷な行為の裏に潜む、蒼寿の熱を体奥に感じて、緋恵は戸惑いながらも惹かれていき……!?
身も心も躾けられる……妖魔と知りながら夜毎抱かれて■神に仕える父が禁戒を破って女と交わり、その結果、世に生まれ出た呪われし娘クリスティーヌ。その出自を知る村人たちは、彼女に無残な期待をかけた。領主に化身し村の乙女たちを苛む妖魔を父親譲りの神の秘術で倒すことを。村娘たちの身代わりに、清い肉体を捧げる生贄となって……。父の立場を慮って覚悟を決めたクリスティーヌは、領主が暮らす古城に送り込まれる。そこで彼女を待ち受けていたのは、妖魔と呼ぶには、あまりにも凛々しい領主キルサス。媚薬のごとくに心地好いテノールヴォイスを響かせて、キルサスは告げる。「私の命が欲しければ、いつでも狙うがいい。その代わり、私も……お前に仕置きをする」。村人たちの思惑どおりキルサスの寵を得たクリスティーヌは、繰り返される情欲の日々を通して、妖魔キルサスにかけられた、数百年にも及ぶ叶わぬ恋の呪いを知る。捧げても尽くしても、決して報われぬキルサスへの愛を自覚したクリスティーヌは――?
バージンパワーで愛しい人をノックアウト? ■伊東美笠は憧れの凄腕イケメン・エクソシスト白石京矢がいる「日本エクソシスト・ラララ協会」入会することに。そこで助手先を斡旋されるが、どこもかしこもイマイチ。本音は京矢の助手を願っているものの、ドジで味噌っかすな自分など不釣り合いで、厚かましすぎると思い、言えないでいる。その時、なんと京矢本人が現れ、美笠を助手にしてくれるという。大はしゃぎの美笠ではあったが、翌日からの勤務は目が点になることばかり。さらに美笠のバージンパワーで抱えている案件を解決したいとかなんとか意味不明なことを。でも愛しい人の言葉には逆らえなくて……美笠と京矢のHでほんわかスラップスティック・ラブコメディ!
私は女王の贈り物。奉仕するだけ。愛なんて望んじゃいけない……。■王宮の奥深き“女王の躾部屋”で養育された見目麗しき孤児ロッドには、抗うことの許されない定めがあった。それは、いつの日か、女王陛下からの“贈り物”となって、功ある忠臣や友好国の要人のもとへ遣わされること。王国の繁栄と女王の権力維持のため、ただひたすらに奉仕する。そのために、貴族令嬢と変わらぬ教養を与えられ、美しく磨きぬかれてきた。無論、“奉仕”には、夜に咲く花となり甘き蜜で主を悦ばせることも含まれているのだ――そして18歳に達したある日、ロッドは大功をたてた騎士サフィアスに贈られる。凛々しく心優しい新たな主に魅了され、思慕の念を募らせてゆくロッド。サフィアスもロッドを決して愛奴として扱わない。だが、その一方で、自家の家格向上を担う立場のサフィアスは、子爵令嬢エラータとの愛なき結婚を控えた身でもあった。“女王公認の婚約者”エラータは、“女王の贈答品”ロッドを露骨に蔑み、陰湿ないじめを仕掛ける。サフィアスの将来を案じたロッドは「愛奴の自分より、妻となる人を大切にするべきだ」と身を引こうとするが……。見返りを求めず、身も心も捧げ、誠実と性戯の限りを尽くす蕩愛!!
フッた男・既婚者の上司・年下──揺れる心の行き着く先はどこ!?■そろそろ結婚を、そう願っている薫のカレシはカメラマン。愛しているのは事実だけど、あまりにもすれ違う。二十九回目の誕生日もアラスカへの取材でいないという。ブチンと切れた薫は、一方的に別れを告げて裕二の部屋を飛び出してしまう。翌日、ヘコんだ薫を励ましてくれたのは後輩の有働。気晴らしに飲みに行き、気づいたら有働のマンションだった!ヤッたの?私達……まったく記憶がない。有働はイイ男だが、どうしても「年下」が気になって受け入れられない。悩んでいる薫は、上司で既婚者の西川と残業帰りに食事に行くことになった。西川はストライクゾーン、だけど既婚者。離婚寸前だという噂もある。薫は親密になった西川に惹かれる。フッてしまった恋人、ストライクゾーンだけど既婚者、求めてくれるけど年下、揺れる乙女心が行き着いた先は──
私を求めてほしい。体の隅々まで、この身の奥底まで■女だてらに剣を携え、王妃の護衛士を勤めているフレアは、優美なルヴァ王太子に心酔している。そんなフレアの前に、だらしない格好をした男が現れ、有無を言わさずキスをした挙げ句、お前を嫁にすると言い残して立ち去っていった。あの男は、誰?怒りと戸惑いを抱きながら、戦場から一時帰城した第二王子を迎えるために広間に向かったフレアは、そこにさっきの男がいることに驚く。フレアに強引なキスをしたのは、なんと第二王子のランティスだったのだ。この国は貴賤婚を禁じている。軍人家系のフレアは貴族ではない。どうやってこの問題を解決するつもりなのか?そう思っていると、今度は憧れの王太子が強引に迫ってきて──
男たちに溺愛される歌姫。だがその心は悲しみに満ちていて…。■ときは狂騒の20年代、大衆文化の花が咲き、ギャングスターが跋扈する米国シカゴ。そんな街の片隅で、天涯孤独の少女が、仔犬のように男に拾われ、サリアと名付けられ、囲われることとなった――。育て親フレディに教えられる愛の行為は、日に日に激しくなった。はじめは受け入れるだけだったのが、しだいに上に乗ったり、熱く盛る男の欲望を口に含むことを覚えた。その行為は夜だけにとどまらず、日中、掃除や料理をしているときも、求められて応じた。体中で彼の愛を感じて、サリアは幸せだった。――だが、そんなサリアに、フレディの腹心リックも恋心を募らせていた。そして、突然フレディの会社が破産し、彼が失踪してしまうと同時に、リックはその想いを剥き出しに襲ってきたのだ!!「サリア、ようやく、僕のものになる」真剣な男の求愛を、サリアは拒めなくて…!?男を虜にする美少女サリアの、揺れる愛!!「フレディ、ごめんなさい……私を許して」