元刑事の伊吹はなりゆきで、女装家タレントのマネージャーを務めていた。近頃、不審な人物の陰が気になっていたのだが、いざ捕まえてみると、その男・行司はタレントのファンだという。小綺麗な容姿も、不自然な言動にも違和感ばかり募る伊吹だったが、行司の正体は刑事で、ある事情から近づいたのだと知って…。ひとりで突っ走って捜査をしようとする行司を放っておけず、伊吹は手を貸すことになるが、人との接触に慣れていない行司の掏れてなさに、心が動かされ――。
すれ違いの日々に耐えられなくなり、恋人だった久家の前から逃げて三年。ペットショップで働く上平は、大好きな爬虫類に囲まれ穏やかな日常の中にいた。だがそんな上平のもとに、居場所を知るはずのない昔の男・久家がIT企業の社長として立派に成長して現れた。あげく復縁を迫ってきて…!? もう一度信じるなんて無理だ――そう思うのに、上平を取り戻すために大嫌いな爬虫類すら克服しようと必死な久家を、つき放すことはできなくて…。
急遽、ペットショップ「緑水館」爬虫類部門に配属になってしまった江原の悩みは、苦手なヘビと、冷たい印象の常連、瀬戸である。多頭飼いするほどカメレオンを愛している瀬戸は、専門知識の乏しい店員の江原を明らかに軽蔑しているようで…。だが、接するうちに瀬戸自身の素直さに触れ、江原は少しずつ彼に好意を持ち始める――そんな矢先、「カメレオンの世話をしてくれ」と懇願され、一週間、彼のマンションに住むことになり!?
堅実に人生を生きてきた冴えない独身四十男の大黒谷正広(だいこくやまさひろ)は、ふとした事から、ひとまわりも年下で天然のゲイ・西舘(にしだて)ステラの世話をあれこれ焼くハメに! 元モデルで超美形だけど、怠け者のステラの汚部屋を片付けたり、将来を考えろと助言したり……見るに見かねてする事一つ一つに感動するステラに振り回されっぱなしの大黒谷。だが、真面目一筋で生きてきた大黒谷は次第にステラの純真さに惹かれるようになっていって……四十年間生きていて、まさか男を好きになるなんて……!?
高級クラブでホストを務める快晴は、ある日仕事帰りに「めしや」という小さな暖簾の定食屋を見つける。期待せず入った店内はカウンターのみでメニューは朝定食だけ。ところが、これがびっくりするほど美味い! しかも「めしや」を切り盛りしていた大将は、自分と同い年くらいの精悍な青年だった。何でもそこそこ適当に生きてきた快晴だったが、「めしや」の味と笑顔が魅力的な大将の人柄に惚れこんで、店に通い詰める事に。ところが、大将相手に淫らな夢を見てしまって…!?
お笑いコンビ「サトスズ」の鈴木律は相方に報われない恋をしていた。だが、コンビとしては下り坂。事務所からコンビ解散を促されても、重い恋をひきずってなかなか前に進めない。そんな律の前に現れたのは、ラーメン屋開店を目指して日々懸命に働くフリーターの白瀬だった。「俺がいるんだから一人で泣くな」不規則な生活の律に食事を作り、苦しい恋に泣く夜はそっとそばにいてくれる。白瀬の優しさに触れ、未来の為に努力する姿を間近に見た律は、不毛な恋から抜け出す為にある決心をして――。
疾風の国の王子・青嵐は、国の密命を受け、幻の国といわれる華蜜の国へと旅立った。辿り着いた華蜜の国で、青嵐は人目を避けるように幽閉されていた一人の佳人と出会う。イリスと名乗るその青年は他人と交わる事を禁じられていた。世間知らずで純真無垢なイリスを愛おしく思う青嵐。秘めた逢瀬を重ねるうちに、イリスもまた闊達な青嵐に惹かれていく。だが、疾風の国からの帰還命令やイリスに課せられた過酷な運命が二人の前に立ちはだかって――。壮大な世界で繰り広げられるデスティニーロマン!
人気美容院に勤める新米美容師の朝陽は、必死で仕事をこなす忙しい毎日を送っていた。ある日、朝陽はなじみの飲食店でエリートサラリーマンの重森と出会う。優しく誠実な好意を朝陽に寄せてくる重森。だが、朝陽には、かつての恋人に振り回された辛くて苦い過去があった…。それでも、周囲の仲間の助けもあって、重森との恋を育む決意をした矢先、朝陽の前に元彼が現れて…!?
【イラスト付き】若くして莫大な資産を築いた人生の成功者・音喜多だが、かつて想い人を亡くして以来、本気の恋情とは無縁に生きてきた。そんなある日、音喜多は死別した相手と酷似した顔立ちの青年と出会う。その青年・久嶋は、華奢で可憐な外見とは裏腹に、二十五歳にして博士号を三つ持ち、元FBIのアドバイザーという経歴を持つ天才だった。彼に強く惹かれた音喜多は、側に居たい一心で行動を共にするが、天才ゆえ人の心が分からないという彼に、身体だけの関係を提案され―。
風変わりな刑事ばかりが所属する、警視庁捜査一課外れの部署『五係』。中でも佐竹は時間にルーズな上、自分勝手な行動ばかりの問題刑事だ。だが、こと捜査においては驚異的な『勘』の鋭さを持っており、抜群の操作能力を発揮していた。そんな佐竹が抱える態度以上の問題――それは、とある事件をきっかけに、元暴力団幹部である高御堂が営む高級料亭で彼と同棲し、身体だけの関係を続けていること。刑事として深く関わるべきではないと理解しつつも、佐竹はその関係を断つことが出来ないでいた。そんな中、五係に真面目で堅物な黒岩が異動してくる。しかも黒岩は、執拗なほど佐竹に付いて回り…!? 限定おまけ付き! 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
海神を鎮める役目をもつ瑠璃国の海子・八潮は、後継者としての重責から、精神的にも肉体的にも「支え」となる男性を選ばなくてならなかった。有力な候補として貴族の清栄を薦められるが、八潮は優しくも頼れる存在の屋敷守・入江を、密かに慕っていた。苦しい気持ちを抱えた八潮は、清栄を選ぶ前に自らの想いを入江に伝えるが、拒絶されてしまう。苦しみを押し殺し、神子としての役割を担うために望まぬ相手である清栄を「支え」に選ぼうとするが… 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
十二歳で唯一の肉親であった母を亡くした大森朔実は、施設に入ることを拒み、母と二人で暮らしていた家で一人、生活していた。そこに、母の弟だと名乗る賢一が現れ、一緒に暮らすことになる。穏やかな賢一に見守られ、二人で寄り添いあう日々は、裕福ではないものの小さな幸せに満ちていた。賢一と暮らすようになってから十六年経ったある日、国立大に進学し順調にキャリアを重ねてきた朔実は、研究のためドイツ行きを勧められる。しかし賢一と離れて暮らすことは考えられないと葛藤する中で、朔実は賢一への想いが保護者への思慕ではなく、恋愛対象としてのそれだと気付いてしまい……。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
母親の借金のせいで、暴力団の事務所に連れてこられた進藤は、粗野で野生的な本部長・富樫に、一目で気に入られてしまう。その気のない進藤は富樫をはねつけるが諦めてもらえず、無理矢理に何度も食事に連れ回されることに。秘密を抱え、静かに生きてきた進藤は、心を騒がせる富樫と距離を置きたかった。だがある日、強引に部屋にやってきた富樫に口説かれ進藤は断るが、突然押さえ込まれ身体を弄ばれてしまい…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
清楚な面立ちの鴻上と精悍な容貌の村上は、高校の時に恋人同士として付き合っていたが、気まずい別れ方をしていた。あれから会わないまま、十年以上の月日が経った今、二人は刑事として再び巡り会う。未だに村上は鴻上を想っていたが彼にさけられ続け、一方の鴻上も過去への罪悪感からか、自分に素直になれないでいた。そんな折、ある爆破事件を解決する為、急遽村上と鴻上はチームを組むことになる。お互いに相手を意識しながら事件解決を目指すが……。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
デザイン会社に勤めている鈴木は、仕事の関係で小学校の同級生・成島と偶然再会する。料理研究家として売れっ子になっていた成島だったが、親もおらず一人寂しく暮らしていた。それでもつらそうな表情も見せず、けなげに生活している成島に、鈴木は徐々に惹かれていく。二人っきりの時間を過ごしていたある日、成島の元に担当編集者の丸山が尋ねてくる。成島に異常な執着を見せる丸山に、鈴木は不安を覚えるが……。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。