かつては星々の領域まで進出していた人類がその覇権を失ってから千数百年の時が過ぎた。無人工場が生み出す完全食品「コモンブレッド」だけが人々を生き延びさせている時代、探索師の少女ハルカはコモンブレッド至上主義をかかげる「教会」の目を逃れながら、広大な廃墟を旅していた。
廃墟が立ち並ぶようになった東京に暮らす運び屋の青年、駆郎は、貧しいながらも懸命に働き、妹を養っていた。ある日、割の良い仕事の依頼が入り、親友と共に危険地帯「渋谷」に存在する謎の大企業に赴く事になった駆郎。そこで巻き起こる数奇な出来事が、彼の人生を大きく変えるのだった──。