仙人族に生まれた秦采生(チン・ツァイシェン)は、妖狐の群れの中で成長し、狐族を繁殖させる責務を背負わされた。幼い頃、外出を厳しく管理されていた秦采生は、一度だけ群れを抜け出し、麓の村に遊びに行った。この時、人間の多喜(ドーシー)とすずめに出会い、二人に危険から守られ、深い友情を結んだ。それから200年後、多喜とすずめの生まれ変わりである韓雲拾(ハン・ユンシー)と蘇蘋(スー・ピン)に、偶然再会し、かつての恩を返すため、采生は二人を守ると決意した。自分らしく生きていくため、人間とともに暮らすことを選んだはずだったが、采生は韓雲拾と蘇蘋との間で、感情のすれ違いに悩み、さらに加えて「仙」と「魔」の戦いにも巻き込まれ……。
暴君として名高い淀王(でんおう)の宮殿は、敵の血によって緋色に染まっていた。王の身辺を世話する家臣・陵ギョク(りょう・ぎょく)は、かつて淀王に滅ぼされた国の出身。しかしなぜか、王の寵愛を最も受け、宮殿内の権力をほしいままにしている。一方、後宮の管理を任されている景淵人(けい・えんじん)は、景一族の中で異民族の子と呼ばれ、父親の存在が隠され続けている。この謎多き二人が、王宮の重要な責務を担う中、淀王の即位から6年が経ち、景一族から令嬢・景寧湖(けい・ねいこ)が、王后の座を狙い後宮に送り込まれる。彼らはともに淀王に仕えながら、陰謀が交錯する美しく残酷な争いの渦中に巻き込まれていく。豪華絢爛でミステリアスな宮廷物語が、今ここに幕を開ける!