汽車で偶然乗りあった男が語った、のどかな田園で暮らす美しい双子と魔女と呼ばれた少女の「恋愛小説」――。いかなるときも一緒で、互いに思い合う固い絆で結ばれた兄と弟。しかし、弟が隣村に奉公に出たことで二人の関係は少しずつ形を変え、さらには少女の登場により、決定的に道をたがえることに……。ジョルジュ・サンドの小説『愛の妖精』(原題 : La Petite Fadette)を原案とし、クリスティの『ポケットにライ麦を』を絡めた意欲作。『爺さんと僕の事件帖』のしかくのによる、確かな描写力と余韻に満ちた、本格ミステリ・コミック堂々登場!
ぼく・中寺逸実(なかでら・いつみ)は、両親と早くに死別してずっと施設で暮らしていた。二年前、某資産家への養子話が決まりかけていたところへ、ぼくを探し当てた祖父・逸樹(いつき)がやって来たんだけれど、正直今更知らない祖父のところへ行く気はなかった。気が変わったのは、珍しい物のようにぼくを見る祖父の目が、やたら癪に障ったからだ――。それ以来、ぼくは祖父と二人暮らし。超人的に無口で無愛想な祖父だけど、ぼくが出くわす事件にいつもアドバイスをくれて……? 祖父とぼくの二人が様々な謎を解決する、日常系ミステリ・コミック!