「いったい、どうしてこんなことに……」獣医師の麻生悠は困っていた。困りきっていた。7つも年下の男子高校生に一目惚れされ、日参の勢いで職場に押し掛けられているからだ。鷹司誉──五摂家の流れを汲む名門の四男だという彼は、そこまで完璧でなくてもいいだろうとツッコミたくなるほど、求愛に余念がない。優雅な物腰、絶やさぬ笑顔、一糸乱れぬ身嗜み。標準装備のそれらを駆使し、全力で口説いてくる王子様に、悠が抗う術はあるのか!?
好きなものは機械や珍獣、苦手なものは小さな子ども──そんなオタク会社員・相模唯人に、その春、悪夢の保育研修(2週間)が課せられた。研修先の保育園。大勢の園児に纏わりつかれ、初っ端から硬直する唯人を助けてくれたのは、(なんだろう、この人キラキラしてる……)存在自体が尋常でなく輝いている一人の保育士。思わず目を擦っていると、なんと彼は『俺の大事な人』だと、皆の前で唯人の頬にキスしてきて!? 園児は恋のキューピッド!? 男たちの保育ラブ
仮面着用必須の会員制秘密クラブ、嵯峨江サロン。パトロン探しのために、そこに潜り込んだ苦学生の侑弥は、最悪の相手を引き当ててしまった。強引・傲慢・唯我独尊。おまけに侑弥の困った顔、意地っ張りな態度、羞恥心をこらえる様が何よりのお気に入りという、歪みきった男───嵯峨江忍である。一方的なパトロン宣言からして有り得なかったが、しかしそれはほんの序の口。侑弥は房事をはじめ、あらゆることを仕込まれて……!? パトロン契約は倒錯的に 年の差大正恋愛譚!
あらゆる人種が闊歩する歓楽街、新宿歌舞伎町。だが、ホストの桐谷晃志がたまたま揉め事から助けた美貌の青年・レイは、群を抜いた異端だった。ヤクザを無礼者呼ばわりし、他人の都合はお構いなし。時代錯誤な口調は泰然かつ命令形で、その世間知らずぶりは他の追随を許さない──。超VIP、たったそれしか素性の知れないレイ。けれど接するうち、ストレートに好意を寄せる彼に、晃志の封印したはずの心が騒ぎ始め……。 生まれも境遇も違い過ぎる二人の、命がけの恋。
千年の歴史を誇る御威神社の長男・清士郎がめでたく20歳になったその日。突然、彼は人ならざるモノが見えるようになってしまった。もともとの性格で大して動じはしなかったものの、好き勝手する彼らを御する方法は学ぶ必要を感じ、清士郎はある情報を頼りに一路京都へ。ところが、そこで彼は運命の恋に落ちた。このうえなく優美で幻想的な舞を舞う──猫に。「アヤカシの教師役は、あの舞猫しかいない!」人間とアヤカシの、破天荒スウィート恋愛譚
「北條家の御子息に跨られる日が来るとは」名門伯爵家の子息の北條玲一郎は、傍若無人な同級生・氷室叶に、強引に抱かれた過去を持つ。6年後――、再会した彼は権力を嵩にかかってきて、妹の身代わりに使用人として船旅の同行をすることに。覚悟はしていたが“服を脱がせて気持ちよくしろ”と命令をされ、忘れたかったはずの、一度限りの快楽が蘇ってきて――。倫敦行きの豪華客船で繰り広げられる、俺様×清廉潔白の大正ロマンス。