<カサンドラ症候群とは…>発達障害特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことの困難を感じている人々が抱える重いストレスを原因とする、身体的・精神的症状のこと。本作は実際に「カサンドラ」状態になった妻アゴ山さんが苦悩し、夫と離婚するまでを赤裸々に描いたコミックエッセイ。可愛らしい絵柄で作画を担当するのは、鳥頭ゆば(『顔で選んだダンナはモラハラの塊でした』KADOKAWA等)さん。カサンドラ症候群専門カウンセラー真行結子先生との書籍限定特別対談「カサンドラ症候群への対処法と夫婦の幸せのあり方」を収録!
顔で選んでしまった夫は、超モラハラ人間だった! バラ色の結婚生活を送るはずが、現実は夫からのモラハラ漬けの毎日。なにかおかしいと思いながらも、それがモラハラであることに気づかずに、ストレスを抱えながらもガマンして過ごした過去の自分を振り返ったエグさ満載のコミックエッセイ。鳥頭ゆばさんの可愛い漫画でお届けします。【目次】プロローグ 第1章 全てはここから始まった…1 地獄の始まり2 マロくんからのプレゼント3 貯金0円の男4 念願の入籍! 第2章 結婚できたはいいけれど、次々と問題が!5 育成プロジェクト6 ハネムーンで…7 元カノ騒動8 赤ちゃんができたよ9 事故で車が廃車に…10 困窮と里帰り 第3章 そこに愛はあるのか!? 私は性の捌け口…?11 マロくんは育児監督!?12 スナックでバイト!13 マロくんを嫌いになれない理由14 性の生贄!15 SNS監視騒動16 これってDV? 第4章 解き放たれて、いざ離婚!!17 手術と失望18 別れを決意19 洗脳からの解放20 ストレスで心療内科へ21 さよならマロくんエピローグ
見知らぬ土地に転勤し、ママ友ゼロで子育てしています。母は遠方に住んでおり、夫の帰宅は遅い日々。たった一人での子育ては、焦り、時々、開き直る日々だけど、ペットの犬や猫にも囲まれて、なんとか楽しくやっています! 人気子育てブロガーの初書籍。
カサンドラといえば『北斗の拳』や『クレイモア』、『バットマン』や『ソウルキャリバー』などさまざまな場所で目にする名前ですが、元々はギリシャ神話に登場する可哀想な王女です。太陽神アポロンに言い寄られ、予知能力を授けられるもその能力で自分がアポロンによって不幸になる未来を視てしまったことでアポロンの求愛を拒否。するとアポロンより「正しいことを告げていても誰もそれを信じなくなる」という呪いをかけられてしまうという酷いお話です。カサンドラは有名な「トロイの木馬」もあらかじめ見破っており、そのことを伝えたにも関わらず呪いにより誰にも信じてもらえなかったという逸話もあります。 その名を冠するのが、本作で扱われる「カサンドラ症候群」。「ある種の障害や特性により心が通わない夫(または妻)をもったパートナーに生じる心身の不調」というように定義されます。かつては「鏡症候群」と呼ばれ、最近では「カサンドラ情動剥奪障害」(Cassandra affective deprivation disorder)や、「カサンドラ愛情剥奪症候群」(Cassandra affective deprivation syndrome)とも呼ばれているそうです。 非常に苦しんでいる当事者に反して、周りの人の理解を得られず更に苦しみを深めてしまう様子はなるほどカサンドラと重なるものがあります。 主人公のアコは、最初はちょっと変わった人だけど自分と感性は合うかもと結婚した夫と、どうも意思疎通が上手くいかないことに徐々に気付いていきます。それでも諦めずにコミュニケーションを取り続けようとするも、それらがことごとく失敗し、とりわけ子供ができた時ですら無反応であったり、生まれた後も子育てに無関心で子供の命や未来に関する部分ですら大きな断裂があったりすることが致命的となります。ですが、家族や友人にはまるでその大変さが理解されず何なら「うちよりいい旦那で羨ましい」などと言われてしまう辛さによって病んで行ってしまいます。 鬱病などと同じく、真面目で責任感が強い人ほどカサンドラ症候群にもなりやすいというのが辛いところです。通常でも大変な子育てが、パートナーによって更に何倍にも辛く苦しいものになっていくという状況は実際に体験してみないと理解され難いものではあろうと思います。 本作は非常に根深い問題を多層的にはらんでいます。ASDと一口にいってもその状態は人それぞれなので一概に括ってしまうのもどうかという部分はあります。 とはいえ、個人で抱えるにはあまりにも大きい懊悩。筆者自身がカサンドラ症候群の存在を知って救われたのと同様に、本書を通して同じような苦しみを抱える方が少しでも救われて欲しいです。自分と同じ苦しみを抱えているのがこの世界で自分だけではないのだと教えてくれるのも、マンガや物語や本の大きな役割なのですから。
カサンドラといえば『北斗の拳』や『クレイモア』、『バットマン』や『ソウルキャリバー』などさまざまな場所で目にする名前ですが、元々はギリシャ神話に登場する可哀想な王女です。太陽神アポロンに言い寄られ、予知能力を授けられるもその能力で自分がアポロンによって不幸になる未来を視てしまったことでアポロンの求愛を拒否。するとアポロンより「正しいことを告げていても誰もそれを信じなくなる」という呪いをかけられてしまうという酷いお話です。カサンドラは有名な「トロイの木馬」もあらかじめ見破っており、そのことを伝えたにも関わらず呪いにより誰にも信じてもらえなかったという逸話もあります。 その名を冠するのが、本作で扱われる「カサンドラ症候群」。「ある種の障害や特性により心が通わない夫(または妻)をもったパートナーに生じる心身の不調」というように定義されます。かつては「鏡症候群」と呼ばれ、最近では「カサンドラ情動剥奪障害」(Cassandra affective deprivation disorder)や、「カサンドラ愛情剥奪症候群」(Cassandra affective deprivation syndrome)とも呼ばれているそうです。 非常に苦しんでいる当事者に反して、周りの人の理解を得られず更に苦しみを深めてしまう様子はなるほどカサンドラと重なるものがあります。 主人公のアコは、最初はちょっと変わった人だけど自分と感性は合うかもと結婚した夫と、どうも意思疎通が上手くいかないことに徐々に気付いていきます。それでも諦めずにコミュニケーションを取り続けようとするも、それらがことごとく失敗し、とりわけ子供ができた時ですら無反応であったり、生まれた後も子育てに無関心で子供の命や未来に関する部分ですら大きな断裂があったりすることが致命的となります。ですが、家族や友人にはまるでその大変さが理解されず何なら「うちよりいい旦那で羨ましい」などと言われてしまう辛さによって病んで行ってしまいます。 鬱病などと同じく、真面目で責任感が強い人ほどカサンドラ症候群にもなりやすいというのが辛いところです。通常でも大変な子育てが、パートナーによって更に何倍にも辛く苦しいものになっていくという状況は実際に体験してみないと理解され難いものではあろうと思います。 本作は非常に根深い問題を多層的にはらんでいます。ASDと一口にいってもその状態は人それぞれなので一概に括ってしまうのもどうかという部分はあります。 とはいえ、個人で抱えるにはあまりにも大きい懊悩。筆者自身がカサンドラ症候群の存在を知って救われたのと同様に、本書を通して同じような苦しみを抱える方が少しでも救われて欲しいです。自分と同じ苦しみを抱えているのがこの世界で自分だけではないのだと教えてくれるのも、マンガや物語や本の大きな役割なのですから。