あらすじ

江戸は深川、仲町にて。お紅と清次という姉弟が営む損料屋・出雲屋が在った。なんとも不思議な事にこの出雲屋が取り扱う道具たち、百年以上の歳月を経て、「つくもがみ」として魂を宿しているのである。愉快でちょっぴりお喋りな「つくもがみ」と共にこの町で起こる大小さまざまな騒動を解決していくお紅と清次。そんな中、かつてお紅に愛を告げ、その後姿を消していた佐太郎が再び江戸へと戻ってきたとの報が入る。お紅の為を思い、自分の気持ちを押し殺して佐太郎を探す清次。しかしお紅が抱く想いは清次が全く予想だにしないものだった……。江戸の町に花開く「つくもがみ」と人間たちとが織り成す悲喜こもごもの人情噺、ここに完結―――。
つくもがみ貸します 1

江戸は深川、仲町にて損料屋・出雲屋を営む、お紅と清次という姉弟がいた。損料屋というのは、日用品から骨董品、そして美術品とありとあらゆる品をいくらかで客に貸し出す商いのこと。ただこの出雲屋が取り扱う道具たちが、他の店のものと一味も二味も違うのは、作られてから百年以上が過ぎ、魂を宿した「つくもがみ」という一種の妖のようなものになってしまっているところ。お客の元に貸し出されては、色々な話を聞いて来て、噂話を繰り広げる「つくもがみ」たち。人が良く情け深いお紅と清次は、そんな「つくもがみ」たちの力を借りながらこの町で起こる大小さまざまな騒動を解決していく。江戸の町に花開く「つくもがみ」と人間たちとが織り成す悲喜こもごもの人情噺、骨の髄までとくとご堪能あれ―――。

つくもがみ貸します 2

江戸は深川、仲町にて。お紅と清次という姉弟が営む損料屋・出雲屋が在った。なんとも不思議な事にこの出雲屋が取り扱う道具たち、百年以上の歳月を経て、「つくもがみ」として魂を宿しているのである。愉快でちょっぴりお喋りな「つくもがみ」と共にこの町で起こる大小さまざまな騒動を解決していくお紅と清次。そんな中、かつてお紅に愛を告げ、その後姿を消していた佐太郎が再び江戸へと戻ってきたとの報が入る。お紅の為を思い、自分の気持ちを押し殺して佐太郎を探す清次。しかしお紅が抱く想いは清次が全く予想だにしないものだった……。江戸の町に花開く「つくもがみ」と人間たちとが織り成す悲喜こもごもの人情噺、ここに完結―――。