戦後ビルマの地で東山大尉ら4人の軍人が冤罪で処刑された。自分たちの子供が成人した時、一堂に会して麻雀を打つことを望みながら。その遺志を果たすために部下であった成宮は東山大尉の息子、東山敬一に会い残る3人を探し出して供養麻雀を打つことを依頼する。成宮老人の願いを受け日本中を旅する敬一。果たして無事に3人を見つけ出すことができるか? 供養麻雀の勝負の行方はいかに? 表題作「風牌伝」を含む全7作収録。
新宿を根城にして麻雀で生きている無頼の男、柏木謙二。しかし彼には秘密があった。勝負の世界に身を置き何物にもとらわれずすさんだ街を愛する姿とは裏腹に、彼自身は国会議員の息子として生まれ何不自由することなく育った身であった。ただ一つ“生きる”ということをのぞいて。ギリギリの生の実感、生の意味を追い求めて謙二は今日も麻雀を打ち続ける、いつの日か父を追い越すために。表題作「麻雀無頼派」を含む全5作収録。