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魔女大戦 32人の異才の魔女は殺し合う
FGOに影響力受けすぎた一昔前のソシャゲ感(絵はSSR級)
魔女大戦 32人の異才の魔女は殺し合う 河本ほむら 塩塚誠
mampuku
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『終末のワルキューレ』のバトルヒロイン版としか言いようがない漫画。可愛い女の子がいっぱい出てくるので自分はこっちのほうがすき。 読んだことない人向けに説明すると、バトルはナレーションが能書きを述べてより強そうな技をぶっ放したほうが勝ちの、カードゲームやソシャゲ、漫画だとバキに近い感じです。原作が『賭ケグルイ』の河本ほむら先生だからといって高度な心理戦を期待するとがっかりしますが、キャラモノとしては間違いなく面白いです。 先程ソシャゲに喩えたように、誰でも名前は聞いたことのある歴史上の人物(ジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネットなど)をそのままモデルにした美少女キャラが盛りだくさんとなっており、ある程度誰でも知ってそうな程度の史実ネタを引用しながらバトルを展開させていきます。 たとえば1巻では、自慢の怪力で大太刀を振り回す巴御前を相手に苦戦する敵が、巴は近接タイプだろうと読み距離をとって飛び道具で嬲り殺しにしようと試みたところ、どっこい武士のメインウエポンは実は弓なのである!とドヤ顔で巨大弓で返り討ちにする……などこのように大味で簡単に先が読めてしまう展開の連続ではあるのですが、言い換えれば読んでいて疲れずスナック感覚で美少女バトルを読みたいという欲求を満たしてくれる娯楽作品でもあるということになります。 ときおり試合中に腹に穴が空いたり四肢が吹っ飛んだりしますが、シグルイとか天上天下とかと比べるとキャラクターたちが痛がるそぶりをあまり見せないため、それほどしんどさは無いです(その点はどちらかといえば『一騎当千』のほうが近いかも)
アッコちゃんは世界一
今に疲弊した人へ送られるエール #1巻応援
アッコちゃんは世界一
兎来栄寿
兎来栄寿
『幻滅カメラ』の1,2巻と同時発売となった、鳥トマトさんの短編集です。 「アッコちゃんは世界一」 「三田君は大丈夫」 「マイお兄ちゃん」 の3つの短編が収録されています。 表題作の「アッコちゃんは世界一」から、とにもかくにも最高なので百聞は一見に如かずでまず読んでみて欲しいです。 https://x.com/tori_the_tomato/status/1788949089192923568?s=46&t=S5wm4E-TmT39NBg4BgQsPA 今この瞬間も、現実世界では元々とても素敵であったはずの人がさまざまな理由でその輝きを失わされるということが起きているのでしょう。そうなった時に、物語の中では救いの手が差し伸べられますが現実にはその手となるものは自分自身しかないのではないか。そんな感想を抱く人には、まさに3作品目の「マイお兄ちゃん」が刺さることでしょう。 解像度の高い、現代社会で人間を壊す力を持つストレスの元凶たち。そういったものたちから自分を守れるのは究極的に自分だけで、大切な自分を守ることを諦めたり忘れてしまったりしている人に力を与えてくれる物語となっています。 「三田君は大丈夫」は、東大生の本郷くんとKO生の三田くんがそれぞれ会長と副会長をこなす国際交流サークルのお話です。本郷くんにコンプレックスを持つ三田くんが、自尊心を保つために本郷くんにはできない女の子と遊びまくるという行為に直走っていきます。 言うまでもなく本郷は東大の、三田は慶應のキャンパスがある土地の名前で、ヒロインのキラキラした白金さんや芋な千駄木さんさんも土地のイメージから来ているのでしょう。 こちらも「東京最低最悪最高!」の鳥トマトさんだなぁというのを強く感じさせてくれる作品で、競争社会の歪みが生む空虚さや絶望感が何とも名状し難い読み味をもたらしてくれます。三田くんだけならまだしも、最後の方の千駄木さんのセリフが実にリアリスティックで無情感を呈しているところが好きです。 この作品の並びも絶妙で、「マイお兄ちゃん」で締められることによって全体的な読後感としては非常にスッキリしたものになっています。 いろんなものに負けずに大切なあなたの人生を生きて欲しいという祈りの込められた、素敵な短編集です。
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