ナリキンフットボール 明石英之 清水海斗
人生の最期と引き換えに、束の間の自由を得た彼女の戦いを刮目せよ!
この世は戦う価値がある こだまはつみ
<ログライン>
自らの生と引き換えに人生の総決算に挑む女性の物語。
<ここがオススメ!>
有給中に味わう晴れた空の開放感と言いようのない罪悪感を感じる作品。
主人公が真面目だからこその自我の解放の躍動と微妙な不自然さが、より胸を打つ。
だからこそ余計に、常識も何もかも取っ払って、the end of genesis T.M.R.evolution turbo type Dになって戦うお前!さぁ頑張ろうぜ!などとエレファントカシマシが聴こえてくる訳で。
不器用にこの日々と戦うお前に幸あれ!と願わずにはいられない。
ってか、表紙がクソエモいな!この表情、物凄いな!?
と思うほどに見入ってしまったので、まずは手に取って見ていただけると嬉しいです。
<この作品が好きなら……>
・あくたの死に際
https://manba.co.jp/boards/183978
・アイドリバティ
https://manba.co.jp/boards/136386
・スーパースターを唄って。
https://manba.co.jp/boards/180020
ブラック企業とモラハラ彼氏の狭間でギリギリの生活を送る25歳の女性・伊東紀理。
彼氏の浮気現場に遭遇し、精神の限界に達した彼女は自ら命を絶とうとするのですが、
そんな彼女が偶然手に取った1枚の封筒が彼女を思いとどまらせます。
その封筒に入っていたのは臓器提供への意志登録カード。
死を選ぼうとしたときも紀理が自室で「ここを事故物件とする!」(おそらく「ここをキャンプ地とする!」のパロディ)と叫ぶなど、所々にコメディタッチな描写があるのですが、会社と彼氏によって紀理が追い詰められてゆく序盤から、会社や彼氏と訣別し自由に生きることを決意した彼女の吹っ切れ具合、そしてその後の彼女に降りかかる数々のドラマと、目まぐるしく変わってゆく展開は読者を全く飽きさせません。
そして何より、臓器提供意志登録カードがなぜ彼女の運命を変えることになったのか、そこに隠された彼女の意志は、共感を超えて彼女に感情移入してしまう、そんな力を秘めています。
彼女が始めた「人生の総決算」はまだまだ始まったばかり、これからも目が離せない作品です!
1巻まで読了