ザシス
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名無し
4ヶ月前
小説ザシスについては、原稿を書いている遥人の姿が描かれており、彼が書いたものであることはほぼ確定している。また、その時に着ているものが制服のシャツのようであることや、八木沢に「鉛筆書き」「字が汚い」「あらすじを付けていない」「プロフィールもない」と応募作品として要件をろくに満たしていないことや、「文体が幼稚」「ありきたり以前に安直」など未熟さが指摘されていることから、ザシスは遥人が中学生の頃に書いたものであることはほぼ間違いがないのではないかと思う。 では、遥人がザシスを書いた動機はなんだろう。単にいつか復讐をしたいだけなのであれば、何も小説にしなくても粛々と実行していけばよいし、計画書として書くなら現在系で書けばよい。一連の事件がかつてのいじめへの仕返しであることは、小説ではなくビデオによって同級生に理解させている。さらに言えば、殺された人のうち、鈴木と川瀬は自分が「なぜ」「誰に」殺されたのかもわからずに死んでいっており、実行犯(または教唆犯)において、「これがかつてのいじめへの仕返しであることを当人にわからせること」はさして重要でないことのようにも思える。要はこの小説ザシスは「復讐相手に読ませるもの」として機能しているわけではない。小説との接点を持っている登場人物はかなり少ない。 ところで、大人になってからのコンビニでののんびりとした雰囲気からすると、大人になった遥人に復讐の計画があったようには見えない。コンビニで児玉と再会するわけだが、もし遥人が近いうちに復讐してやろうとその機会を虎視眈々と狙っていたのならば児玉の行動パターンをある程度は把握して回避できているのではないか。また、あれほどひどく児玉に殴られ続けてもいよいよ復讐を決意するかのような反骨心は感じられず、ひたすら児玉に謝るだけ。遥人はあのような苛烈な小説を書いていながら、大人になってもなお復讐を現実的な選択肢としては考えていなかったように思える。 つまり、中学生の遥人は凄まじい怒りや恨みをもって小説を書き上げはしたが、大人になるとその感情も落ち着いており、これを元に復讐を実行していく考えなどなかった。 では、純粋に単なる小説として、いずれ応募する可能性のある作品として書いたのか。もしかしたらそうかもしれないが、近々応募する予定のある作品として準備していたわけではなさそう。「文体が幼稚」「あらすじを付けていない」など、いかにも中学生のときに書いたままの状態が維持されているから。

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ザシスの意味とは

ザシス 森田まさのり
六文銭
六文銭
「ろくでなしBLUES」から「べしゃり暮らし」まで、一通り読んでいる作家さんだけに本作も当然手に取りました。 1話読んで、サスペンスであること、その世界観にひきこまれ これは完結してからイッキに読もう と思い、完結を楽しみにしてましたが(変な話ではありますが)まさか3巻でおわってしまうとは。 一気読みした最初の感想としては、ギャク色の強い作風の作家さんなのに、この手のストーリーもイケるのかと唸った。 誰が犯人なのかはもちろん、主要な登場人物の誰もが、実は後ろ暗い過去をもっているびっくり展開は、良い意味で緊張感があって、最後どう転ぶのか気になり読んでてあっという間だった。 ミステリでありがちな、くどい説明とかもなく、絵だけで魅せてくるのも読みやすかったし、不気味なタイトルが結局何なのか気になりながら最後につながるのも良かった。 総じて、面白かったという月並の感想なんだけど、3巻でキレイにまとまっている作品だと思います。 この手の作品で、個人的に重要だと思っている、読者に結論を委ねる部分もしっかりあって、そういう意味でも読後感は良かったてす。 3巻完結なので、イッキに読んでザシスの意味を噛み締めて欲しい。
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