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この作品の舞台は、温暖化や資源の枯渇等、様々な要因から世界情勢が悪化し、世界中で戦争が行われるようになってしまった世界。
そんな世界で生活する人々を描く連作短編集です。
全ての物語に大きく関わってくるのが、単行本の最初に収録されている物語『アップルピエタ』の主人公である赤井柊という男性です。
彼は父親が38人もの人間を殺害した快楽殺人犯で、そのせいで学校を卒業したあとの進路が制限されてしまっていました。
そんな彼と、ある組織が研究していた戦争用の人造人間の試作品「インク」との出会いが描かれる物語ですが、物語の導入からは予想することができない真実がこの物語には隠されています。
この物語を筆頭に、終末世界を舞台にしたSF的な要素を織り交ぜながら、人と人の結びつきや生きる上での倫理観を揺さぶる、そんなエネルギーを秘めた短編集です。