「作者の死を隠し、連載を続ける」という衝撃の設定
ミリオンジョー 市丸いろは 十口了至
「ワンピースって実はもう尾田さんが描いてないらしいよ・・・」
こんなことが起きるのが本作。
日本一売れるマンガ「ミリオンジョー」(現代で言うワンピース)の作者の死を隠し、担当編集者である主人公が続きを描き続けるという衝撃作。もうこの時点で読みたくなりますよね(笑)
作者が変わって描き続けるという「バレる?バレない?サスペンス」は時にページをめくるのが怖くなるくらいハラハラドキドキさせられます。
設定段階から風呂敷をかなり広げている本作がどのように結末を迎えるのか、一見の価値ありです。これを3巻で完結させたのは本当にすごいことだなぁと、今でも何度も読み返してしまいます。
ミリオンジョー
例えば、現在連載中の国民的超人気マンガ「ワンピース」の作者である尾田栄一郎先生が誰も気づかないときに急逝していたら、予兆はあったのに担当が放っておいたら、それを隠蔽しようとしたら・・。
というもしかしたら実際にあり得ちゃうんじゃいないのというリアリティが目の前にチラつくゾックゾクする漫画家漫画サスペンス。
嘘に嘘を重ね、雪だるま式に大きくなっていく。
背中を冷たい汗が伝うような感覚に陥る隠れた傑作だと思っている。
読んでいる最中は終わらない悪夢を見ている最中の感覚にひどく近いので、引き込むのが異常に上手いんだと思う。
また違う形のサスペンスを描いてほしいなと強く願ってしまう。