ナンバーナインマンガの感想・レビュー209件<<12345>>遺伝子操作によって生まれた者たちと医師の物語螺旋じかけの海 永田礼路starstarstarstarstarひさぴよ絶版となった「螺旋じかけの海」私家版。3巻以降が本編の続刊になります。単行本未収録の「魔女の語る森」と、描き下ろしの「烏を屠る旅」が収録されています。 「鳥を屠る旅」は1話としてはかなり長い91ページの長編でかなり読み応えがあり、2巻で止まってる人には特に読んでほしいです。個人的にはワニの回以上の感動がありました。 人間とは何か、命とは何かを問いかけられる重いテーマの作品ですが、何度も読み返したくなる名作です。轟縞二郎の流儀男の流儀 塚原洋一マンガトリツカレ男「野原ひろし 昼メシの流儀」の作者が描いた「男の流儀」。作者は比較的最近の漫画家なのかなと思っていたけど全く違ったのをちょっと前に気づいた。俺の中で昔のモーニングなどで描いていた塚原洋一と「野原ひろし 昼メシの流儀」の作者が結びついていなかった。 漫画の系統としては俺の大好きな「中年男性が自分自身や一方的に決めた対戦相手と対峙しながら悩むギャグマンガ」といえばいいのかな。泉昌之の「夜行」とか中島徹の「南倍南勝負録 玄人のひとりごと」みたいなマンガ 内容は体格の良い轟縞二郎が自分自身の流儀を追求するあまりおかしい方向に行くというギャグマンガ。「ファミレスの流儀」が好きかな取材の跡は感じられるけど南国トムソーヤ うめ名無しトムソーヤと呼べるドラマ性には欠け、シナリオ展開も乏しいのが残念でした。沖縄民族学、海洋古代史等の探究に比重が大きく、にわかに信じ難いオカルト路線なのもあって、いまいち入り込めなかったです。仮想通貨には手を出すな!仮想通貨体験記 かいちhysyskいやまぁ、仮想通貨でないと買えないものもあったりするので別に持ってていいと思うんですけど、投機目的で手を出すなということです。株だったりFXとかと一緒。 こういうのって何となく失敗したらペナルティとして借金を負わされるものというイメージだったのですが、仮想通貨が直接こちらに負債を負わせる訳ではなくて、仮想通貨で儲けようとして誰かからお金を借りた時に発生してるんですね。それで仮想通貨の価値が下がったら元金を返せなくなる、という。 だからお金を借りたり、そもそも生活が成り立たなくなるほどのお金を仮想通貨に変換しなければ良いだけ…なんだけど色々あってそういう判断ができなくなる恐ろしさが描かれていると思いました。特にスマホとの親和性の高さが怖い。ずっと気になってしまったり、意図に反してボタンを押して巨額のお金が消えてしまったり…。とにかく手数料には気を付けよう。厳選!読んでほしいこのマンガしずかの山著者:松本剛愛英史完結全3巻作品情報はこちらなるほどって感じ独裁者グラナダ【新装版】 杉本亜未名無しクレイアニメ・独裁者グラナダを製作した新進気鋭のアーティストの裏の顔を目撃した雑誌記者が本当の顔はどっちなのかを探ろうとする心理サスペンスと、入院先で知り合った青年達の交流を描いた作品の2本が収録されています。どちらも作者が入院中に構想したらしく2つとも病気ネタになってます。正直面白いかどうかで言われたら微妙なんだけど、すごく大事なことを伝えようとしていることは感じ取れた。2つ目の作品は最後にBL的な関係になって少し唐突な気もしたけどなるほどなって感じ。あの青年のキャラクターは好きだった。ハウツーにもオカズにもならないけど面白いセックスの誘い方 田滝ききき野愛身も蓋もなさすぎて気持ちがいい!潔い! ハウツー的にもオカズ的にも実用性はないけれど、オール下ネタで期待に違わぬ面白さです。 欲求不満女子・せっこが合コンしたり温泉旅館でナンパしたり音信不通だった彼氏と再会してみたり…性欲を満たすべく奮闘するお話。 ワンチャンあると思ったら勘違いだったり、性欲が前に出過ぎてドン引きされたり。 受け身すぎてもダメで、前のめりすぎても引いちゃう。そういう流れでさりげなく、でも確実に誘いたいし誘われたい。 めちゃくちゃ難しいことを男女共に求めてるんだからめんどくさい!! めんどくさいけど、そのめんどくさエピソードを友達と共有するのは楽しかったり。 セックスの誘い方は学べないけど、セックスにまつわるくだらん話はいついかなるときも面白い! 酒飲みながら読むと友達と遊んでる気分になるのでおすすめです。フェティシズム!先輩の■■■■の■食べさせてください 大森かなた野愛陸上部の練習終わりのラーメン屋。いつも一緒に居すぎて好きになってしまった後輩の女の子。 先輩となら男女の友情あると思ってたなんて言われても、好きなものは仕方ない。 っていう甘酸っぱい恋愛模様から突然、とんでもないフェティシズムが放り込まれた!! タイトルは後輩の台詞。 伏せ字になってるとエロいこと想像しちゃうけど、決してエロくはない。ただ、変態ではある。 面と向かってこの台詞を言われたらちょっと引くかもしれない……けど、好きな子から言われるのはちょっといいかもしれない。 こんな恋愛しちゃったら一生忘れられないだろうし、人生狂いそう。でも、ちょっといいかもしれない。なんでもない日々がいちばん面白い #1巻応援INDEX 大森かなた野愛他人にとってはなんでもないようなことでも、自分にとっては大事件ってことはよくある。 そんなささやかな出来事を、適度に優しく面白く描いた短編集。 ・春野さんはエロ本を読みたい 規律は守るけどエロ本は読みたい春野さん。 誰にも知られぬよう準備万端でエロ本を買いに行ったのに、よりによってコイツにバレるなんて…。 それでも最後まで筋を通した春野さんがかっこいい。 ・死んでも嫌だ フラれた友達ともつ鍋を喰らうだけ。 そんなに美味しくできたわけではないけれど、喜ぶ友達を見ながら思うこととは。 百合と友情の間くらいの関係性、いいですよね。 ・初デートなので 下着屋、服屋、雑貨屋、ドラッグストア、緊張した面持ちで買い物をする女の子。熱の入った接客をする店員たち。 なぜなら明日、初デートなので。ドキドキして眠れない女の子はとてもかわいい。いや、かわいいのは女の子だけじゃない! 人生が変わるような大事件じゃなくても、なんとなく昨日と違う今日が描かれています。 普通の人が普通に生きてることがちゃんと面白い、そんな短編集でした。 近未来のレモンハート陋巷酒家 丸岡九蔵さいろくこれはすごい。なにしろ自由だ。 SFとちょっとした小噺を肴に今日も1杯やろうじゃない、って感じで登場人物も面白く、絵柄も相まってすごく温かみを感じる作品。 追記:5巻まで読み終わったけど、もう他作品と比較するようなもんじゃなく、自分の中で「これよこれ」っていう唯一無二の作品に昇格しました。荒削りだけど女子バスケは良いBREAK THE BORDER 歩さいろく画力高め、表情硬め、展開早すぎるけど…というかもうちょいこうだといいな、とかは正直いっぱいあるけど、「面白そうじゃんこれ」って1巻読み終わってから思った。 続きはよ、って思う作品でした!まさかこれが電子書籍になるとは...痛快!!マイホーム 池沢さとしマンガトリツカレ男コミックバンチ連載中に読んでいたし単行本も持っているぞ。池沢さとしのマンガはひとつも読んでいない状態で読んで内容はともかく物凄いなこれっていう印象しか覚えていなかった。家に単行本があったので今回読み返してみましたが相変わらずすごいなということを再確認しただけだった。 第一部完とあるが第二部はどっかでやったのかなウチヤマユージの初期短編夏の十字架 ウチヤマユージかしこウチヤマユージさんの初期短編が収録されています。全部テイストが違いますがどれも面白かったです。私が一番好きだったのは一人暮らしのおばあさんの一日を描いた「ちりぬるを」ですね。優しいおばあさんの穏やかな暮らしぶりにほのぼのしながらも最後にヒヤッとさせられます。表題作の「夏の十字架」は登場人物が全員悪人なんですが意外な終わり方でした。ウチヤマユージさんの可愛い絵柄にダークな内容っていうのがギャップがあって面白いのですが、めちゃくちゃリアルな絵柄の人が描いたらどうなるんだろうとも思ったりしました。人情味がある酒場ファンタジー!陋巷酒家 丸岡九蔵名無し日常、CITY、ダンジョン飯が好きな人は好きそうな漫画! 定食屋さんか大衆酒場の漫画本棚に置いて欲しい作品ですね。 ファンタジー(未来世界)なんですがモデルとしてるのはお酒飲みにくるリアルの人間だと思うのでとても和やかなキャラクターが多い気がします。 旧世界の男の子がお盆にお金置いてく話が好きでした!近未来なのに、懐かしい陋巷酒家 丸岡九蔵六文銭表紙から見ると居酒屋グルメ漫画みたいにみえるんだけど、 SFも交じって混沌とした感じが、すごく自分好み。 第三次内戦?が勃発した未来の話なんだけど、 戦後の昭和感がスゴイ。 荒廃した世界に、人情だけが残って、 見ず知らずの隣の人ともスグに馴染んで笑い、辛いことがあれば一緒に泣く。 古き良き昭和のかおりがします。 出てくる食事も、場末の飲み屋のソレで、 本当に未来なのか? というか未来って設定いるか? と思って読みすすめるんですが、 客としてくる登場人物を通して、少しづつ世界観が明らかになっていき、これが妙な緊張感を与えてただの酒飲み漫画で終わらない凄みがでてきます。 先が気になるというか、一体どういう世界なのか惹きこまれるんですね。 酒屋で出るB級グルメも含めて、おっさん好みなものが、詰まっている作品だと思います。 誰にもあった青いころのお話Vacanze Estive Ichii Tetsuro野愛何にも意味を見出せなくてなんとなくつまらなかった日々が、ほんの少しのきっかけで変わることがある。 今見てる場所だけがすべてじゃないんだ、どこへだって行けるんだと気づけたら世界が色づいて見える。 そんなふわっとした原体験みたいな概念みたいなものを形にしたのがこの作品なんだと感じた。 つまらない日々を過ごす不良少年ネロが、家庭教師を頼まれた少女ロミと出会うお話。 小さな島という閉塞感のある場所、夢を持つ少女と出会い変わっていく少年。 お洒落に記号化されているのに、誰もが「こんなときもあったなあ」と思えるような青さ。甘酸っぱさ。ほろ苦さ。 短くてさらっと読めるのでぜひ読んでみてほしい。オモロイド先輩は着替えができないの続き えんど20歳の凛那で〜す!!胸キュンシーンあるで大阪に住みたくなるかも、知らんけど。大阪ちゅーとリアル だたろう野愛お手軽に大阪感を味わえてどんどん読んじゃう。 賑やかすぎて大変そうだなとも思うけど、登場人物全員いい人だから楽しそう。 一家に一台たこ焼き機とかお好み焼きで白米食うって正直擦られまくった大阪あるあるなのになんで面白いんでしょう。ほんとにそうなんだ!テレビで見たやつ!みたいな喜びに近いのかもしれないなあ。 難読漢字フェチとしては大阪の難読地名はグッとくるものが多いので「放出」とか「喜連瓜破」とかたまらないですよね…。 お笑い文化が根づいてるのがうらやましい、あと551の豚まん食べたい…! 新入社員にしか見えないおぼこいジョージ君と一緒に大阪生活をチュートリアルしてる感じが楽しくて大阪に行きたい気持ちが高まります。 ラブコメ要素もありつつサラッと読めるのでぜひ読んでみてほしいです。 絵柄に見覚えあるな〜と思ったら、布団がアイドルする尖った漫画描いた方だったんですね、好き。誰も並んでないのである!本当にあった怖い話 サイン会0人全真相 徳光康之名無し「サイン会0人」がこれほど似合う男はいないだろうし、ネタにできる徳光康之はやはりタダ者ではない。本人には悲劇でも、周りにとっては最高の喜劇であることを体現している。表紙のなんとも言えない表情が素敵。昔の"モノ"にまつわ…いにしえや浪漫堂 あろひろし大トロ昔の"モノ"にまつわるエピソードがたくさん。ほっこりします!見せてあげるよ! 恋より熱いもの!! #1巻応援マグナムリリィ 阿部伶たか2017年よりマガポケで連載されをPingaで楽しみに読んでましたが、2018年に療養のため長期休載。その後どうなったか経過を全く存じ上げなかったのですが、2020年2月に再開するも全9回で打ち切りとなり、同人で自費出版という形で第1巻が刊行されたのがこちらの単行本だそうです。 https://twitter.com/ReiAbe_/status/1396020306041446403?s=20 久しぶりに読みましたが、阿部伶先生の作画&女の子達の「可愛さカッコよさ熱さのバランス」が絶妙でやっぱり最高ですね…!! 百合とウィンディの出会いが萌えではなく「燃え」に溢れてて本当にカッコいい…。 1巻には4話まで収録され、残りは阿部先生のPixivで公開されています。 https://twitter.com/ReiAbe_/status/1401051326037909509?s=20 4話からの5話よ……!こういう女の子同士の気持ちいい関係、意外とあんまりなくてたまらないです。好き…。 10話の最後の「プロテインだ!」も熱い…。 自分好みのこんな良い百合を見せていただいて……本当に感謝しかありません。今度こそ売れてくれ〜〜😭 (余談) そう言えば「マグナムリリィ」でググったらサジェストに「遊戯王」と出てきて不思議だったんですけど、あらためて百合ちゃんのまつげ見ると完全に遊☆戯☆王ですね。ジャン神といい、明らかに遊戯王に影響を受けた力強いまつげ、いい……!青春でしかない青春時代 Ichii Tetsuro野愛銀杏BOYZの東京ではじまる時点で心を掴まれてしまう。あの頃に引き戻されてしまう。 好きなバンドが一緒で仲良くなって、文化祭終わりでメールして、地元の音楽教室の出し物で2人で演奏して… なんて青春は送れなかったけど、あの頃の空気感にやられてしまう。これがエモいということか。 最後の一コマもとてもよい。青春でしかない。 とても短いお話だけどちゃんと2000年初頭にタイムスリップできました。想像した以上に騒がしい未来が僕を待ってると思えた頃のお話SHORT STORIES Ichii Tetsuro野愛色や匂いまではっきり思い出せる鮮やかな瞬間みたいなものを切り取っていて、うまく言えないけれど「いいなあ」って思える作品。 バンプ、スピッツ、くるりに何かしらの思い出があるひと。 音楽、漫画、小説など表現することに夢中だった記憶があるひと。 上記に当てはまるひとは(当てはまらないひとはいるんだろうか?)きっと「いいなあ」と思うはず。あと10歳若ければ(1週間ぶり2度目)…ニュージーランドではしゃぐ。 はしゃhysysk『フィリピンではしゃぐ』の続編で、ワーキングホリデーを利用してニュージーランドで暮らす話。写植によって読みやすさが格段に上がっている。 語学学校には1ヶ月通っただけで、あとは日本の仕事をしながら生活するというリモートワークの手本みたいなスタイルで、とても羨ましい。自然も豊かでご飯もおいしそう。観光的な情報だけじゃなくて、現地の人がどんなものを食べ、どんな風に生活しているか、というところが分かるのも良い。 ワーキングホリデーが使えるのは30歳までなので、これももっと若い時に知っておきたかったな。思わず口から言葉が漏れるブス界へようこそ 河野大樹さいろく誰がこのタイトルでバトル漫画だと思うだろうか。 衝撃の展開、なによりこの想像が追いつかない世界が面白い。 表現力はもう少し欲しいけどこれはこれで味があって良いのかも。<<12345>>