絶版となった「螺旋じかけの海」私家版。3巻以降が本編の続刊になります。単行本未収録の「魔女の語る森」と、描き下ろしの「烏を屠る旅」が収録されています。

「鳥を屠る旅」は1話としてはかなり長い91ページの長編でかなり読み応えがあり、2巻で止まってる人には特に読んでほしいです。個人的にはワニの回以上の感動がありました。

人間とは何か、命とは何かを問いかけられる重いテーマの作品ですが、何度も読み返したくなる名作です。

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螺旋じかけの海
設定が小難しいけどおもしろい
螺旋じかけの海 永田礼路
ゆゆゆ
ゆゆゆ
食費をうっかりお酒代にかえては、一緒に暮らすハルに叱られる生態操作師のおじさん・オト。 料理はすごく不味いらしい、射撃の腕はピカイチな若者・ハル。 人以外の遺伝子をもつ異形成キャリアと呼ばれる人たちがいる世界。 水没した街には何故か特に多く住んでいる。 この世界の法律では人以外の組織の割合が一定を超えた異形成キャリアは基準外キャリアと呼ばれ、人とはみなされない。 とはいえ、見捨てられた水没した街の人々は、他の生き物のパーツが体に発現するまで、自分が異形成キャリアであることすらわからない。 街に近い洋上で暮らすオトとハルは、国の定めた基準を超えてしまった異形成キャリアの人たちを、生体操作をして助けていく。 人以外の組織が1%でも超えたら人ではなくなるのは、おかしくないか。 服などで見えない部分が超えていたらわからないのに、人ではなくなるのか。 人間らしい思考を持っているのに? じゃあ、人間らしい思考を持っていたら、あきらかに別の生物でも人なのか? 「人間と他の生物を分かつものは何か」 あらすじにあるこの問いを、「螺旋じかけの海」は様々な物語から問うている。 そして、めずらしい(より人のかたちに近い)異種形成キャリアは高値で取引されることが、問題を複雑にする。 作者の本職は医者とのこと。 色々悩みながら描かれているのかもしれない。 小難しい漫画に思えるが、食えない性格のオトとおだやかそうなハルの掛け合いがおもしろいので、さくさくと読める。 続刊があるのかないのかわからないけど、続くなら読みたいなと思う。 追記 11話の5巻でいったん終わりだと、単話11話前編として公開された電子書籍内に書かれていました。 https://twitter.com/nagatarj/status/1642143272561954818 追記の追記 5巻が発売されました
特装版「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た~」
「ヒロシマのおばちゃん」を読みたくて購入
特装版「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た~」
ひさぴよ
ひさぴよ
https://www.shogakukan-cr.co.jp/book/b110795.html 『漫画が語る戦争 焦土の鎮魂歌』(小学館クリエイティブ)で読んだ曽根富美子の短編「ヒロシマのおばちゃん」が衝撃的だったので、もう一度読みたいと思って電子書籍版を探してたら、この短編集に収録されていた。 「ヒロシマのおばちゃん」以外の短編は、戦争の話というよりちょっと昼ドラっぽい話が多いものの、それでも表題作を読むためだけに買っても損はないと思う。 作品の詳しい時期は分かってないのだが、状況からして1990年代頃の設定と思われる。広島での戦争体験を語り継ぐの”一人のおばちゃん”を通して、戦時中の自身の半生を振り返るところから物語は始まる。巧みな語り口と、曽根先生お得意の、不幸で陰湿な心理描写にグイグイと引き込まれてゆく。そしておばちゃんは不幸のドン底と同時に、原爆の日を迎えるのだが…。 変わり果てた広島の街を、怨念そのものとも言える鬼気迫るタッチで描き出し、一度目にしたら忘れられないような光景がこの漫画にはある。おばちゃんは最後に「あれは地獄だったよ」とだけ語る。と同時に、この出来事が教科書の中のたった数行に収まってほしくない、と願うのだった。 個人的には「はだしのゲン」と同じく、ぜひ読み継がれてほしい戦争漫画の一つだ。
らせんじかけのうみしんそうばん
螺旋じかけの海【新装版】 1巻
螺旋じかけの海【新装版】 2巻
螺旋じかけの海 3巻
螺旋じかけの海 4巻
螺旋じかけの海 5巻
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お前の寝言がわからない

お前の寝言がわからない

この国の教育のシステム上わかりやすく雑に2分されるレンズがある。それは「文系」と「理系」。文系女と理系男が突然一つ屋根の下で暮らしたら…!? どこかズレてて笑える異文化同居コメディ! ※電子書籍版は作者編集のため表紙・目次等のレイアウトが異なりますが、本編は少年画報社発刊の単行本と同内容になります。
君の薫る星 永田礼路短編集

君の薫る星 永田礼路短編集

「奥さまの中にある幸せを――私が呼ぶのだ」 嗅覚博士の夫妻と召使いロボが住む小さな星に起きた事件ー表題作「君の薫る星」 そのほか、腹に魚が住み着いた男の行く末ー「金魚鉢症候群」 病として扱われる現代の吸血鬼男子の生活ー「現代吸血鬼観察録」 中年教授3人組に花を売る少女の顛末ー「ガーベラの教室」 カエルの呪いが中途半端に解けた王子ー「カエル王子におはよう」……などなど。ファンタジー、SFから現代劇まで、バラエティ豊かな2~31pの短編12本を収録。
螺旋じかけの海

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遺伝子操作が産業として発達した世界。水没した街の残骸で暮らす人々の中には、“異種キャリア”と呼ばれる異種遺伝子を持つ者が存在する。遺伝操作を生業とする生体操作師・音喜多(おときた)。自身も何種もの“異種キャリア”を抱えている彼の元に、様々な事情を抱えた者たちが訪れる――。「人間と他の生物を分かつものは何か」――普遍的なテーマを、作者の専門知識に根ざした緻密な設定と、広大無辺な想像力で描き出す!
呪術廻戦

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類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は、病床に伏せる祖父の見舞いを日課にしていた。だがある日学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、化物が現れてしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖だが!?
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名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
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【デジタル版限定!巻末に描き下ろし特典イラスト付き!】一瞬にして世界中すべての人間が石と化す、謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。数千年後――。目覚めた大樹とその友・千空はゼロから文明を作ることを決意する!! 空前絶後のSFサバイバル冒険譚、開幕!!
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!
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自然界を超越した異形の生物──HA(ヒューマナイズド・アニマル)。それは遺伝子を“設計”された、ヒトと動物とのハイブリッド。HAが備える驚異的な身体能力は、野心を抱く人々の策略によって殺りくの現場へと投入され、その真価を発揮していく。ヒトは何のためにこの異形をデザインしたのか──その背景には、人類の未来へとつながる壮大な計画が横たわっていた! 稀代の表現者・五十嵐大介が放つハードSF、ついに登場!
iメンター すべては遺伝子に支配された

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iメンターは24時間365日、常に正しく道を照らします。“暮らしの水先案内人”に人生の決断を委ねよう--。 最新の遺伝子情報を基に、「iメンター」と呼ばれるタブレットが人間に的確なアドバイスをする近未来。 将来の夢は叶うのか、このひとは最良の結婚相手なのか。自分は、いつ死ぬのか。 iメンターは全て数字で、「正しい生き方」を教えてくれる。 本当に人間の幸せは「遺伝子」だけで決定されてしまうのか?  iメンターに管理された「理想郷」で、「正しい生き方」をデータと数字で突きつけられた人間たちの尊厳を問う。 『アイリウム』『サイコろまんちか』の小出もと貴が描く、SFオムニバス!
螺旋じかけの海

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人類の半数以上が肉体を棄て、自らをデータ化した未来。宙に浮かぶバーチャル世界『ZONE』で、データ化された遺伝子情報の組み合わせから誕生した完全なるデータ生命体タオは、初めて訪れた実世界でひとりの少女・ヒルダと出会う。ヒルダに惹かれ、「触れたい」と強く願うタオ。しかし、2人の間にはバーチャル世界と実世界、データと生身という深い溝が横たわっていて…?
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