受賞後に描き足さなくてもよかったと思うけど…
死神と話す女 達磨かえる元帥
第10回青年漫画賞ビッグコミック編集長賞を受賞した作品。審査員だった浦沢直樹先生の「ラストが陰惨すぎるのではないか」という指摘を受けて、ラスト2ページを描き足しての掲載になったとの事。ちなみにビッコミで公開されるのは改訂前のものだそうです。
ビッグコミック系で描いていくなら浦沢先生の指摘通りエンタメとしての完成度が必要になんだろうなと思いました。青年漫画賞受賞者にはMONSTERのような作品を描いて欲しいという気持ちが私にもあります。でもあの救いようのないダークな感じがウケる雑誌もあるだろうからやっぱり好みの問題かもしれないですね。加筆については正直してもしなくてもあまり印象は変わらない気がしました。
最初期のクレヨンしんちゃんを10倍ほど殺伐とさせた感じの幼稚園
を舞台にした全12ページの不条理スラップスティックもの
ビッグコミック初登場ということもあってか、普段のような心を抉ってくる要素がなく最後までギャグ全開であり、浄土るるという漫画家の顔見せ的ショートに
留まってる印象が否めない。尺短いのでしかたないのかな。。
とはいえ尖りまくったギャグ感覚はいつもながらであり、
園の校庭に埋められた園児が蘇生して「おめえらなってねえな、と説教を始めるもみんなにボコボコにされるくだりが特に好き
>ビッグコミック向けに抑えたマイルドな浄土
タイトルが的確すぎて驚きました。「心を抉ってくる要素がない」というのもわかります…闇の切れ味がいつもより大人しかったですね。
こういう雑誌に合わせてチューニングした作品も描かれるんだなと意外な発見でした。