読みたいけど読めないの分かる…

この繊細さを、変わった物語やグロテスクさ無しに、感情だけ目一杯強調してくる作家さんって、意外とおられない。それは百合でもそうで、『voiceful』は貴重です(最近だと『熱帯魚は雪に焦がれる』はいい感じ)そういう意味でもナヲコ先生、活躍していただきたかった…

voicefulも楽しんで下さい!

繊細でみずみずしい、からだとこころの話にコメントする

人気のコメント

からだのきもち

ココロとカラダがチグハグな成人漫画

からだのきもち ナヲコ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
三味線漫画『なずなのねいろ』1巻刊行に合わせて、ナヲコ先生が成人誌で発表して来た作品を纏めたのが、この短編集。まずは掲載誌を列挙する。 ●漫画ホットミルク ●COMICプチミルク ●COMICアリス倶楽部 ●コミックメガキューブ ●ポプリクラブ ●同人誌 大学生から大人×高校生、高校生同士、子供同士、ロリ×ロリ、ショタと多岐に渡る。ショタ以外は性的描写あり。みんなれっきとした、エロ漫画だ。 しかし、はっきり言うと…… 「これでエロいことは出来ねぇ!」 細やかな感覚、しんどい背景、大き過ぎる感情にいちいちグッと来るので、正直この作品達で、ナニも出来ない。絵のエロさに体は反応するのに、圧倒的な感情に心を持っていかれる結果、ココロとカラダは引き裂かれ、読後には重い余韻と少しの罪悪感が残る。 傷付いた心を癒すように体を重ねたり、身体に刻む記憶としての性交だったり、知らない部分を見つけた喜びだったり……痛くて優しい、温かくて切ない、そんな機微をこれでもかと刻み付けてくる。 こんなの、もう忘れられない。 ♡♡♡♡♡ ●マイガール 身体が繋がれば、心は繋がるの? ●ひとつだけ 好きなものを頬張る貴方が好き。 ●大切な人 渇きを潤す様に、体を重ねる小学生達。 ●駅 兄妹と他人を行ったり来たりの二人の子供は、何度目かの停車場に立つ。 ●おねえさん改造計画 24歳に見えないお姉さんは可愛く変身して、秘密のバイト。 ●デュオメイト カワイイあの子と連弾したい女の子。でも相手が来なくなっちゃった……。 ●八月の夢 教師はあの女子生徒に、聖性と劣情を重ねていた。そのバランスが崩れる時……。 ●Brand Mew Menu 喫茶店の子に出前を頼んだら、相手は僕を知っていた。えっ、地味なアイツが? ●明日 2年前の誕生日のイザコザで、絶交していた二人。その理由とすれ違っていた心は……? ●ナキムシのうた 兄弟のように育った幼馴染みと再会。でも何かつれない……。 ●テンション・ナビゲーション 1・サークルの飲み会で万年幹事のハイテンション女子。笑顔以外の顔を見たい。 2・セックスで何が分かる?という先輩と、本心を知りたい後輩。 3・過去の事件のせいで、彼氏から優しくされる女子。でも本当は……。
Sランクパーティから解雇された【呪具師】~『呪いのアイテム』しか作れませんが、その性能はアーティファクト級なり……!~

サクッと作ったものすら宝物並みの性能

Sランクパーティから解雇された【呪具師】~『呪いのアイテム』しか作れませんが、その性能はアーティファクト級なり……!~
ゆゆゆ
ゆゆゆ
原作者さんは「ダメスキル【自動機能】が覚醒しました~あれ、ギルドのスカウトの皆さん、俺を「いらない」って言ってませんでした?~」の方と同じです。 こちらも奇想天外な展開と、読みやすいコミカライズでおもしろいです。 呪具師は、不人気な職業といっても、突き詰めたら無双できる職業だったという、まあ、よくある展開です。 無自覚な無双に加え、デザインセンス以外他者評価に対する意識が海峡の底よりも低いというアンバランスさがあります。 そして、主人公は職を突き詰めた結果、解呪しないと外れない以外、おおきなデメリットが薄い道具(デザインセンスは独特)ばかり開発しています。 変わった設定と思って読んでいたら、どうやらそれ以外でもなさそうな感じが、かつて所属していたSランクパーティから漂っています。 どうなるのかなというストーリーのおもしろさと、愛嬌のある主人公やヒロインたちが魅力的です。 よくある設定から、続きを読みたくなる作品を生み出せるのはすごいですね。
終末ロッキンガール

祖父と孫とギターと終末 #1巻応援

終末ロッキンガール
兎来栄寿
兎来栄寿
『隕石少女』や『餓天使』の石山り〜ちさんが手がける新作です。 音楽で売れてやると家を飛び出した息子は、10年後に再会したときには遺体に。遺されていたのは生まれつき全盲の孫娘・光(ひかり)。光はに「自分の音楽で世界を一つにする」という父親の目標を継いで、目が見えないながらギターの道を邁進しようとします。 自分も音楽をやっていながら、親に売られて軍属になったことで道半ばで夢が潰えたことで息子にも厳しく当たっていたことを悔いる主人公・雷蔵と、幼いながらにギターの天賦の才の片鱗を見せる光の祖父と孫娘。 このふたりの関係性だけでも一本物語として成立していてそのまま読みたいくらいですが、そこは石山り〜ちさん。 本作はそこからタイトル通り「終末」が襲ってきます。突如襲来した謎の宇宙人によって人類は大規模な攻撃を受け、地上は大変なことに。 ハートフル家族ドラマ×音楽×ポストアポカリプス。 贅沢な三色丼のような作品です。 ポイントは、雷蔵が孫の光の夢を壊してしまわぬよう地上の惨状には気付かせないようにして、何事もなかったかのように振る舞い続けるところです。元気で奔放ですがギターにひたむきな光は守ってあげたい魅力があり、雷蔵の気持ちにも共感します。不器用な性格でありながら、孫愛溢れる雷蔵の姿にも心が和みます。 一方で、襲来する宇宙人たちのえげつない攻撃能力の高さからサスペンス性の強さもあり、しかし彼らにもどうやら弱点はあるようで、そこを突きながら上手く切り抜けていこうとするシーンも見ものです。 徐々に尽きていくであろう水や食料やその他ライフラインをどのように確保し、どのようにわたり合っていくのか。 他の生存者との関わりや、彼らに待ち受ける最終的な運命など目が離せない作品です。願わくば、終わった世界であっても、最後の瞬間には最高の音色を光が奏でて欲しいなと。
方舟

大人気ミステリのコミカライズ #1巻応援

方舟
兎来栄寿
兎来栄寿
週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位、MRC大賞2022第1位、 2023年本屋大賞 7位受賞など、高い評価を受ける夕木春央さんの『方舟』。 そのコミカライズを『誰かを呪わずにいられないこの世界で』の木場健介さんが構成、「5人の内、誰が死ぬか」の悠木星人さんが作画という形で行なっている作品です。 私は『方舟』は原作既読で楽しんでいたので原作との違いを楽しむ方向性で読んでいますが、「5人の内、誰が死ぬか」も良い短編サスペンスだったのでマンガ化にはぴったりだなと思いました。 『方舟』はいわゆるクローズドサークルで、若い男女が閉鎖空間の中から脱出できない状況に陥り、その中で事件が起こっていくタイプのミステリです。 この手の作品は大学生グループが多いのですが、本作の主人公たちは大学で繋がりを持った社会人です。それによって特徴となっているのが、主人公が大学時代から好意を抱いていたヒロイン的ポジションの女性が既に別の人物の人妻になっているという点。いわゆるBSS的な要素も入っており、そこもある種他の同系統の作品とは異なる見所となっています。 たくさんの名作が書かれてきたジャンルですが、そこでこの評価を受けるだけの理由はしっかりと存在する作品です。連載部分では遂に犯人が明かされるところまで描かれており、単行本を読んで続きが気になってもマンガUP!で読むことができるので親切です。 エンターテインメント性の強い設定なのでマンガにしても面白いだろうなと思いながら読んでいましたが、キャラクター含めおおよそイメージしていた通りにコミカライズされています。 普段小説は読まないという人も、推理系やサスペンス系のマンガが好きな方であれば間違いなく楽しめるでしょう。ぜひ、最後まで見届けて欲しいです。
ドカ食いダイスキ!もちづきさん

女の子が自殺してる姿なんて見たくない

ドカ食いダイスキ!もちづきさん
ピサ朗
ピサ朗
可愛い女の子が底辺おじさんがハマるような趣味をやってるという、最近の流行である作風なのだが 「食」という生活に密着してハードルの低い分野で、注意書きも一切無いので正直恐怖の方が勝る。 自分も結構食べる方だが、30越えてからは多少なりとも控えめになったが、21で運動量も少ない女性がこんなん10年後に一気に来るというのが容易に想像できてしまう。 ハッキリ言えばもちづきさんがやっているのは「緩やかな自殺」レベルの暴食なので、ここまで来てるとむしろ中年男性がやってる方が遠慮なく笑える。 ひでえ事言ってるけど、「中年男性の自殺姿は笑えても、かわいい女の子の自殺姿を見て笑うことはできない」のだ。 とはいえ暴食に心を囚われ不健康な生活を送ってる人にとって、ここまでではないにしても己を顧みる切っ掛けになりえる狂った生活描写は見事で、逆説的に食事に対する節制や再考を推奨していると言えなくもない。 そういう方向性ならむしろ吾妻ひでお氏のアル中病棟のように、数年後に作者が死亡するか、もちづきさんが入院して暴食を強制的に楽しめない終わりが似合うだろうけど、流石にそんなもん見たくないので、どういう終わりを迎えるのかすごく気になってる。
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