息が詰まる作品だった。
閉ざされた田舎の、閉ざされた教室の、閉塞感が切実でこちらまで息が苦しくなる。
女教師の性的虐待を受ける男子小学生・丸籐の気持ちが語られないまま物語が進んでいく。とにもかくにも圧迫感と閉塞感が凄い。
何より凄いのがタイトルにもあるひこうき雲が描かれる場面。
ひこうき雲ってそういうことなの、それは、幸せのひこうき雲なの?幸せとは?と大混乱。

ラストシーンもとんでもない。救いがあるのかないのか読んでほしいし読んだ人が判断してほしい。

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しあわせのひこうきぐも
幸せのひこうき雲
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